阪神・藤浪 輝き取り戻した!7回自責1、不運エラー重なり4失点も希望の10k!

[ 2020年7月31日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0―6ヤクルト ( 2020年7月30日    神宮 )

<ヤ・神>7回2死一、三塁、坂口の打球を前にはじいた藤浪がボールを拾って必死に一塁に送球するが悪送球となる(撮影・篠原岳夫)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が、30日のヤクルト戦(神宮)に先発も7回8安打4失点(自責1)で降板し、670日ぶりの白星はならなかった。味方のミスも絡んで、追加点を奪われたものの6回までは1失点にしのぎ、2年ぶりとなる2桁奪三振も記録。チームは連敗で勝率5割に逆戻りした一方で、背番号19の復調は大きな収穫だ。

 腕を振る藤浪からは、勝利への執念が伝わってきた。だからこそ笑顔を見たかった。報われなかった115球。希望と悔恨入り交じるマウンドだった。

 「悪くはなかったと思いますけど、7回のああいう場面で粘れてこそ。良かったですけど、気持ちの良いピッチングではない」

 息詰まる投手戦が悲劇に暗転したのは、1点劣勢の7回だった。2死一、三塁で坂口の投前ゴロは右手→顔面と当たって前方に転がった。すぐさま捕球に走り、倒れ込んでの一塁送球も、大きく逸れて痛恨の追加点を献上。痛みよりも落胆で、その場に座り込んだ。

 治療のため一度、ベンチに下がったものの、走ってマウンドへ戻り続投。最後の力を振り絞ったが、上田の放った遊撃後方への飛球を追った北條が近本と激突して落球する適時失策で決定的な2点を失い試合の行方は決した。「ミスが出た時こそ抑えてだと思う。誰もエラーしようと思ってしてないですし、ああいう所でカバーできたら」。称えられる力投より、この回先頭の宮本のゴロも弾いてしまった北條の2失策をカバーできなかった投球を何よりも悔いた。

 不安定な立ち上がりから立ち直った。初回、初球から17球連続で直球勝負を挑んで無失点に封じたものの、シュート回転が目立った。2回には1死二塁から吉田大に左翼線へ二塁打されて先制点を献上。決め球に最速148キロのスプリットを多投するなど、尻上がりにリズムをつかんだ。前夜29日の決勝2ランなどチームが3度の決勝打を許している村上も2三振を奪って無安打に抑えてみせた。

 「前回、変化球が入らなくて苦労したんで。梅野さんからカット、スプリットを使っていければと言われましたし、1週間、その辺修正してきた。それが良いように出た」

 7回には高橋を空振り三振に切り、18年4月20日の巨人戦以来となる2桁奪三振。輝きを取り戻した姿に矢野監督からも「素晴らしいし、勝てる、中身のしっかりした投球。それが1番収穫」と目を細められた。

 打球の当たった右手には「大丈夫。次の登板も問題なくいける」とうなずいた。「やっぱり苦しい場面で粘ってこそ。今回みたいにストライク先行でいって。最低限、そこはできるようにして、ああいうところで粘れるように」。

 着実に近づく“その時”へ糧となる黒星にする。(遠藤 礼) 

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