「不利は特徴」和泉総合の左投げ捕手、全力の夏終わる…強豪相手に完敗も「自分なりに頑張れた」

[ 2020年7月31日 18:44 ]

令和2年大阪府高等学校野球大会   和泉総合0―15東大阪大柏原 5回コールド ( 2020年7月31日    シティ信金 )

<和泉総合・東大阪大学柏原>左投げの捕手、和泉総合・高野(撮影・後藤 正志)
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 全国的にも珍しい「左投げ捕手」が躍動した。和泉総合・高野巧捕手(3年)が右手にキャッチャーミットをはめ、左手の大きなジェスチャーで投手陣をリード。試合には大差で敗れたが「全力を尽くして戦いました」と胸を張った。

 捕手を始めたのは中学1年時。走塁練習中に、代役として捕手の守備位置に入った時に「監督になぜか気に入られた」ことがきっかけだった。数日後には監督が左利き用のミットを用意してくれ、以降は自然と扇の要に座るようになった。

 「捕手は楽しいですね。打者のタイミングが外れ、思ってもなかった反応があったときや、投手がビタビタにアウトローに決めたときとか」

 高校入学後は一時、野球から離れたが、冬に野球部に入部。高校3年まで継続し、捕手としての快感も覚えるようになった。

 三盗の阻止が難しいことや、本塁が追いタッチになることなど、一般的に左投げの捕手は不利とされている。それでも高野は「不利は特徴だと思っています。相手に覚えてもらったりもしますし」と笑う。強豪の東大阪大柏原に序盤から大量リードを奪われたが、5回は2人の1年生投手をリードし、無失点で終えた。「これを来年以降に生かしてもらえれば」と後輩達にチームの未来を託した。

 卒業後は就職の予定。地元クラブでソフトボールを続けるつもりだが、捕手をやるつもりはない。「楽しかった。高校で終わるけど、自分なりに頑張れた」。左投げ捕手は晴れやかな表情で高校野球を締めくくった。

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2020年7月31日のニュース