城北 都小山台との「進学校対決」で大金星!東大志望エース中村、頭脳的配球で粘り勝ち

[ 2020年7月31日 05:30 ]

東東京大会2回戦   城北2―1都小山台 ( 2020年7月30日    大田 )

<都小山台・城北>9回1死一塁、杉本を右飛併殺に抑え勝利した城北・中村はエビ反りでガッツポーズ(撮影・村上 大輔)
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 都道府県が独自に開催する代替大会は30日、全国で50試合が行われた。東東京では、城北と都小山台の進学校同士が2回戦で激突。城北は中村陽紀(はるき)投手(3年)が6回無失点の好救援を見せ、2―1で競り勝った。東大志望の秀才エースが、2年連続準優勝の強豪を破る原動力となった。

 進学校対決に勝った。しかも、大金星だ。城北は偏差値72を誇り、都小山台は69。ただ、夏の東東京大会での最高成績はベスト16で、相手は甲子園出場経験もある2年連続の準優勝校だった。立役者となったエースの中村は「最高です」と笑顔で汗を拭った。

 0―1の4回から救援し、その裏の攻撃で逆転する。燃えた。圧巻は6回だ。4番・上江洲礼記(うえず・らいき=3年)との対決。最速140キロを誇る右腕は外角低めに直球を投げ続け、カウント2―2に追い込む。5球目、一転して直球を内角高めに投げ込み、空振り三振を奪った。

 最も遠いコースから、最も近いコースへ。対角線を使った頭脳的な投球と攻めの姿勢が最高の結果を生んだ。「礼記にはスイッチが入りました。昔、同じチームでしたし」。少年野球「麻布キッズ」でチームメートだった100キロを誇る巨漢の主砲を仕留め、リズムに乗った。6回を3安打無失点。5者連続を含む7三振を奪い、1点リードを死守した。

 勉学との「二刀流」。文系の3年生156人中20位以内を維持しており、来春は東大を受験する予定。合格すれば野球部に入部するつもりだ。試合後、中村は上江洲と久々に話した。「大学でも勝負しよう」と誓い合ったが、東大志望と伝えると、上江洲は「エッー!」と驚き、苦笑いだった。

 3回戦ではプロ注目の2メートル右腕・秋広優人(3年)擁する二松学舎大付と対戦する。「失うものはありません。ガムシャラにやるだけ」と中村。城北ナインは31日の期末試験を経て、8月1日の大一番に挑む。(伊藤 幸男)

 ◆中村 陽紀(なかむら・はるき)2002年(平14)4月4日生まれ、東京都港区出身の18歳。青南小時に在籍した少年野球チーム「麻布キッズ」から投手一筋。憧れは同じ右腕で攻めの投球が身上の前田(ツインズ)、則本昂(楽天)。1メートル76、84キロ。右投げ右打ち。

 ▽城北 東京都板橋区にある私立男子校で、1941年(昭16)開校。校訓に「着実・勤勉・自主」を掲げる。戦前の開校当初から進学を目指す校風で、卒業生の多くが東大、京大などの難関国立大や国公私立医学部に進学。昨年度の東大合格者は浪人含めて8人。主なOBに元ラグビー日本代表・増保輝則、俳優・ベンガル。ラグビー、ラジオ、囲碁将棋部などが全国大会での実績を持つ。

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