ヤクルト・高橋 脱ライアン!フォーム変え制球力改善 自己最長8回零封で今季初勝利

[ 2020年7月31日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト6―0阪神 ( 2020年7月30日    神宮 )

<ヤ・神>7回2死、ボーアに向かって雄たけびを上げながら投げる高橋(撮影・篠原岳夫)
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 今季初勝利は、簡単に手に入れたものではない。投球フォームを変えた。意識も変えた。その結果が、自己最長の8回を3安打無失点。ヤクルトの5年目左腕・高橋は「変化球が決まって、真っすぐが生きた。今日みたいな投球を毎回続けたい」と目を輝かせた。

 まずは「左のライアン」の異名を捨てた。右足の爪先まで高くはね上げる大リーグの名投手ノーラン・ライアンを由来とする豪快な投法。これをやめ、膝だけを上げるフォームで制球力を上げた。

 4勝した昨季は95回1/3で53四球。ほぼ2回に1四球を与えていた。100キロのバーベルを挙げて尻周りの筋力を強化することでブレない体幹をつくった。ただ、開幕直前の練習試合では再び制球難を露呈。開幕を2軍で迎えると、フォーム改良に着手した。8回で2四死球。テレビ中継では自己ベストを2キロ更新する155キロを計測し、球威も増した。

 意識改革も奏功した。これまでは追い込むと三振を狙いにいき、力んだ。その悪癖を直そうと「2ストライクからボール球を打たせよう」と心掛けた。6三振を奪ったが、狙ったわけではなかった。

 108球。プロ初完封は持ち越しとなったが、ヤクルトの先発陣で今季初めて8回まで投げ抜いた。3学年上の藤浪との投げ合いも制した。「監督からは相手の先発より先に降りるなと言われている。それを頭に入れて投げた」。そう言って胸を張った23歳。開幕投手候補にも挙げた高津監督も「ここまで投げてくれると思わなかった」と最敬礼した。 (君島 圭介)

 ◆高橋 奎二(たかはし・けいじ)1997年(平9)5月14日生まれ、京都府亀岡市出身の23歳。龍谷大平安では2年春に同校のセンバツ初優勝に貢献するなど、甲子園に3度出場した。15年ドラフト3位でヤクルト入団。1メートル78、73キロ。左投げ左打ち。

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