巨人・菅野の3つの“新様式”に注目!打者有利の東京Dで快投を可能にする新フォーム

[ 2020年7月28日 05:30 ]

巨人の菅野
Photo By スポニチ

 巨人は28日、12球団で最も遅い「大トリ」の有観客試合として東京ドームでDeNA戦を開催する。先発する菅野智之投手(30)は今季も2戦2勝と本拠地で無類の強さを誇る。本人いわく「最も本塁打が出やすいと思う球場」で、なぜ勝てるのか?今季2試合の全投球結果から3つのデータを抽出して分析する。(神田 佑)

 今月3日の中日戦。菅野は12球団一番乗りの完封勝利を挙げた。プロ8年間で同球場の通算成績は45勝17敗。今季2試合の防御率は1・13と今季通算の1・77を大きく上回る。

 <1、スライダー>過去に「一番信頼している」と言ったスライダー。122球を投げた3日は全体の32・8%に当たる40球を投じた。直球の29・5%を超え、全球種の中で最も多い割合。さらに2ストライクとなると割合は46・3%に上昇する。まさに宝刀だ。

 マウンドは原監督の意向で昨年からメジャー式の硬い土に変更された。今季は下半身より先に腕から始動し、軸足にしっかりと体重を乗せることを意識して体重移動するフォームに変更。この新フォームが、片足立ちした際にもバランスが保ちやすい硬い土のマウンドとマッチし、軸の安定につながっている。結果、リリースも力強くなりスピン量も増加。曲がり幅も大きくなる。

 <2、直球>スライダーが光り輝く裏には直球の球威もある。直球は2試合、229球中65球で球速幅は147~153キロ。平均は150キロだった。前に飛ばされたのはわずか7度で、外野まで運ばれたのは3度しかない。

 <3、制球力>9分割の全球チャートで追跡すると高い制球力も見えてくる。6月19日の阪神戦は「真ん中」への投球は107球中で1球。3日の中日戦は122球中で5球だけだ。「新フォーム+マウンド」が数々のプラスアルファを生み、東京ドームでの無双状態につながっている。

 ≪菅野 ファンの前で「いいゲーム」誓う≫28日からの本拠地6連戦でローテーションを再編する。右肩違和感のサンチェスと再調整の今村に代わり、右肩周辺の肉離れから復帰した畠と、右太腿裏の張りが完治した田口が1軍に合流する。現在、23イニング連続無失点と好調を維持する菅野はジャイアンツ球場で調整し「お客さんが久しぶりに入るのでいいゲームにしたいし、勝ちたい」と意気込んだ。

続きを表示

この記事のフォト

2020年7月28日のニュース