田沢、BCリーグ埼玉入り!3月にレッズ自由契約 「野球できる場所」求め日本で再出発

[ 2020年7月12日 05:31 ]

レッドソックス時代の田沢
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 今年3月にレッズを自由契約となった田沢純一投手(34)が、ルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団することが11日、分かった。近日中に正式発表される。メジャー通算388試合登板を誇る右腕は米球界でのプレーを模索していたが、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、一時断念。現行ルールではNPB球団と契約できないため、日本の独立リーグを新天地に選んだ。

 アマチュアから直接海を渡ってから12年が経過した。34歳となった田沢が再出発の地に選んだ場所はBC埼玉だった。3月7日にレッズを自由契約になった後、アリゾナ州の公園などで練習していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で米球界の動きが止まったために、4月に帰国。神奈川県内でトレーニングを続ける中で、埼玉からオファーが届いた。

 13年にはレッドソックスのセットアッパーとして、世界一にも貢献した右腕が、日本の独立リーグ入りを決断した理由は、登板機会だ。代理人サイドは、MLB球団とのマイナー契約を模索していたが、今月1日にマイナーリーグのシーズン中止が決定。米国の独立リーグからメジャー復帰を目指す道もあるが、ビザ発給の問題など、コロナ禍の現状ではリスクは高かった。「野球ができる場所」を最優先した結果が、埼玉でのプレーだった。

 田沢は帰国後の本紙インタビューで「コロナの影響は仕方ない。これで引退する選手も出てくると思う。僕は声がかかることを信じて、今できることをやっていくだけ」と話していた。昨季は右肘手術を受けた10年を除けば、初めてメジャーでの登板がなかったが、オフには筑波大に投球フォームの動作解析を依頼し、肉体改造にも着手。今季はオープン戦で1試合(1回無失点)しか登板機会が与えられなかったが、手応えはつかんでいた。

 新日本石油ENEOS(現ENEOS)に在籍した08年、ドラフト1位が確実視される中で、メジャー挑戦を表明し、12月にレッドソックスと電撃契約を結んだ。これを契機にできたルールにより、田沢は帰国後、2年間はNPB球団と契約できないが、日本の独立リーグなら支障はない。

 メジャー通算388試合登板は、日本投手歴代3位。前例のない挑戦から地位を築き、10年以上、メジャーの強打者たちと戦ってきた。「少しでも野球がうまくなりたいという気持ちでやっている」と話す田沢。その雄姿が日本で見られる。

 ◆田沢 純一(たざわ・じゅんいち)1986年(昭61)6月6日生まれ、神奈川県出身の34歳。横浜商大高から新日本石油ENEOS(現ENEOS)を経て、08年にレッドソックスと契約。17年からはマーリンズ、エンゼルスなどでプレー。昨年8月にレッズとマイナー契約を結んだが、今年3月に自由契約となった。メジャー通算388試合で21勝26敗4セーブ89ホールド、防御率4.12。右投げ右打ち。

 ▼ルートインBCリーグ 07年に北信越BC(ベースボール・チャレンジ)リーグとして4球団でスタートし、14年目の今季は12球団で実施。新たに神奈川が加わった。今季はコロナ禍により年間60試合制。13年連続でNPBに選手を出しており、昨秋は埼玉から松岡がドラフト3位で西武入りした。15年に加盟した埼玉は元ロッテの角晃多氏が監督、元楽天の片山、宮川が兼任コーチとして在籍。また、ロッテなどで活躍した成瀬は今季から栃木に兼任コーチとして所属している。

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