阪神・岩貞 因縁の大瀬良相手に初勝利!チームの連敗4で止める

[ 2020年7月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9-3広島 ( 2020年7月4日    マツダ )

<広・神(1)>阪神先発の岩貞(撮影・北條 貴史)
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 “4度目の正直”を果たしても笑顔はない。岩貞は、粘ってつかんだ今季初勝利にも反省の言葉を並べた。

 「(良いのは)初回3人で終わったことぐらい。6回までしか投げられなかったのは大いに反省しないと」

 初回に2点の援護をもらい、走者を背負っても5回まで無失点でしのいだ。「梅野が良い部分を引き出してくれた」。決め球を本来のチェンジアップからフォークに変える配球面も効いた。6回に4安打を集められ3失点。矢野監督からも「ナイスピッチングって言ってあげたいけど…サダにはもっと高いところを目指してほしい。最後の1点を抑えてこないと」と注文をつけられた。

 「そこ(大瀬良との投げ合い)は僕も思ってたんですけど」

 逆境をはね返した白星であることは変わらない。試合前まで1勝12敗と相性の悪い広島戦で、投げ合ったのは3度の対決ですべて黒星を付けられていた大瀬良だった。右腕とは大学2年時に出場した日米大学野球選手権で同僚となり、宿舎でも同部屋だった間柄。親交を深めて大会中は福岡大の梅野と“九州会”を結成し、大会後も食事をともにするほどの仲になった。

 プロ入り後も大瀬良が登板前日に炭水化物を多く摂取するルーティンを、参考にしたこともあった。17年以来3年ぶりのマッチアップ。いつか来る4度目へ「絶対に勝ちたい」と口にしていた思いが結実し、初めてライバルよりマウンドに長く居座り、土を付けた。

 チームの連敗を4で止める粘投に「やっぱり打線が打ってくれたので」と首を振っても、視線だけは前を向いた。

 「今日の1勝を明日につなげて、チームが浮上していけるきっかけになる一歩だと思います」

 苦い味の1勝から得られるのは糧だ。28歳が見せた意地は、次なる戦いにつながる。 (遠藤 礼)

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