豊橋中央のドラフト候補捕手・中川 強肩と守備でサヨナラ勝ち貢献、スカウト高評価

[ 2020年7月5日 17:03 ]

夏季愛知県高等学校野球大会   豊橋中央3―2時習館 ( 2020年7月5日    豊橋市民 )

<豊橋中央・時習館>9回2死一、二塁のピンチをしのぎ、ガッツポーズを見せる豊橋中央・中川
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 三河に潜在能力抜群の扇の要がいた。今秋ドラフト候補の豊橋中央・中川拓真捕手(3年)が強肩と守備力でチームのサヨナラ勝利に貢献。打撃では4打数無安打に終わり、高校通算42本塁打のパワーを示すことはできなかったが「プロ1本で考えている。もっと注目されるためにホームランを打ちたい」と次戦以降を見据えた。

 終盤に立て続けに訪れたピンチを、エースの大羽陽星投手(3年)とともにしのぎ切った。2―2の8回1死満塁。9回2死満塁。そしてタイブレークに入った10回も1死満塁の局面を迎えた。だが、主将を務める中川は動じなかった。

 「気持ちを前面に出してきてくれる投手。エースの大羽を信じて、自分は良さを引き出そうと思った」

 いずれの回も満塁とした直後の打者は三振。守備に細心の注意を払い、勝利をたぐり寄せた。

 本来の持ち味は打撃力と驚異的な飛距離。高校通算42本塁打を誇り、この日の試合会場・豊橋市民球場では新チーム結成直後に左翼へ場外ホームランを打った経験もある。

 「飛距離は愛知県ナンバーワンだと思っています」

 自信と力の源は高い身体能力にある。豊橋・東陵中では陸上競技部に所属。砲丸投げを専門とし、中学3年時にはジュニアオリンピックで自己ベストの14メートル20を記録し、6位に入賞した。「野球につながっている部分はあります。上(半身)だけでは飛ばない。下の瞬発力が大事」。二塁送球完了タイムは最速1秒83。体の強さは捕手として最大の武器となる。

 憧れの選手は西武・森とソフトバンク・甲斐。スタンドで視察した広島・松本有史スカウトは「体は大きいが、俊敏に動ける。パンチ力があって右にも左にも打てる。会沢(広島)のようなタイプ」と評価する。中川が目標とするプロの世界に向け、能力を着実に磨いていく。

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2020年7月5日のニュース