阪神・藤川 今季初セーブ サヨナラ被弾の前回登板払しょく「何とか勝てたことが良かった」

[ 2020年6月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8-6DeNA ( 2020年6月27日    横浜 )

<D・神(2)> 9回2死満塁のピンチに楠本を左飛に打ち取り、雄たけびをあげる藤川(撮影・大森 寛明)
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 信頼に応え、悪夢を振り払った。阪神の藤川が2点リードの9回に登板しヒヤヒヤながら無失点で締め今季初セーブ。前回登板でのサヨナラ被弾を払しょくする粘投で、意地を見せた。

 「自分も一回失敗して、チームが苦しい中で、何とか勝てたことが良かったです」

 この夜も“あと一つ”で試練がやってきた。ソト、オースティンら中軸と対峙(たいじ)し安打と2四死球で2死満塁。代打楠本にも2ボールとカウントを悪くしたが、最後は直球で詰まらせ左飛に仕留めた。

 25日のヤクルト戦では1―0の9回に登板し2死から西浦に逆転サヨナラ3ランを被弾。あの悲劇が脳裏をよぎっても、リードを守り切った。この日も抜け球が目立つなど、100%の状態ではない。今月3日の練習試合で腰に違和感を訴え緊急降板。大事には至らなかったが、十分な調整を積むことなく開幕へ間に合わせた。

 チームの活動休止期間を経ての異例のシーズンに向けて「プロの本質が問われる」と口にしてきた39歳。万全でなくても、打たれても……言い訳はしない。リベンジの舞台で結果を残して“本質”を示した。不変の信頼で送り出した矢野監督も「この前も嫌なやられ方してる中で。最後踏ん張れたのは大きい」と称えた。

 「球場でファンの方々の声援に支えてもらって自分たちが力を出せるということを強く感じています。この状況が続きますが、一試合一試合しっかり集中して投げていきます」

 当然のように耳にしていた“あと1球”コールもない。逆境から始まった20年の“初仕事”を果たし、日米通算250セーブまで、あと6。不屈の守護神が力強く前進した。(遠藤 礼)

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