亀山つとむ氏 攻めの采配で打開策を!西へのフォロー「気持ちが伝わるような戦い方も、一つのやり方」

[ 2020年6月27日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-6DeNA ( 2020年6月26日    横浜 )

スポニチ評論家の亀山つとむ氏
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 【亀山つとむ 視点】まさに完敗でした。DeNAのエース今永の前に打線が沈黙。確かに今永の状態は抜群で、相手を褒めるしかない投球内容でした。

 チームは3連敗で借金5。苦しい状況が続いていますが、こんな時こそベンチには「攻めの采配」をしてほしいと思います。この日の試合でも、攻撃面における三つの用兵が、気になりました。

 一つ目は1点を追う6回です。開幕戦とは状況が違い、この日に限っては、回の先頭・西勇輝に代打を送ってもよかったのではないかと思いました。あそこで代打を送り、その打者が塁に出ると、走者を置いて上位打線を迎えることができました。うまく同点に追いつければ、西の黒星を消すことができました。

 二つ目は7回です。先頭・大山が左前打で出塁した際は、すかさず代走・荒木を起用しました。ですが、1死一塁となった後には一塁走者・マルテに代走を出しませんでした。点差はわずか1点で、打順も5番・福留でした。まずは追いつくことが肝心です。あそこは、たとえば俊足の植田を起用して、積極的に攻める姿勢を示してもよかったのではないかと感じました。

 そして三つ目は8回です。状況は変わらず1点差。無死一塁から俊足の代走・江越を送ったので、ここは「勝負」を期待しました。ですが、続く梅野には送りバントを指示。もちろん、1点を取るためには堅実な手だとは思いますが、決して打撃の状態が悪くない梅野で強攻するのも、一手だったと思います。

 いずれも結果論ではありますが、開幕投手の西が投げる曜日は、相手投手の状態が良いところで回らなければなりません。「勝ちたい」と思って投げる投手のメンタルが「勝たなきゃ」になってしまうと、しんどくなります。そこで成否にかかわらず「攻めの采配」でベンチが姿勢を示すだけでも、西に対するメッセージになります。フォローの言葉だけではなく、気持ちが伝わるような戦い方も、一つのやり方ではないかなと思います。

 とはいえ、敗戦を引きずっていては、何も始まりません。プロ野球は毎日、試合があります。反省はしても後悔はせず、前に進んでいくしかありません。

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2020年6月27日のニュース