巨人・坂本、大城 コロナ「微陽性」連日検査で陰性出れば再合流、6・19開幕間に合う見込み

[ 2020年6月4日 05:30 ]

巨人・坂本勇人内野手(左)と大城卓三捕手
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 巨人は3日、主将の坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が出たと発表。東京ドームで予定していた西武との練習試合を中止とし、2選手は都内の医療機関に入院した。ともに2日の同戦に出場し、嗅覚異常などの症状は全くなし。正常値ぎりぎりの「微陽性」のため再度の検査で陰性が確認されれば早期復帰が可能で、チームも6月19日の開幕に向けて準備を進める。

 体調に問題はなく味覚・嗅覚異常もないため、この日午前に陽性判定を聞いた坂本、大城は驚いた様子だったという。選手らには試合前の練習中に西武戦の中止が伝えられた。

 球団は「症状が全くないのに陽性というのは大変驚きました。チームから離脱することになって迷惑を掛けてとても残念です。早く合流して開幕に備えていきたい」と連名のコメントを発表した。

 判定は微量の遺伝子量を示す正常値ぎりぎりの「微陽性」。球団が5月29~31日に、感染歴を調べる抗体検査を希望者218人に実施し、坂本、大城を含む選手、スタッフ計4人に、感染後に回復したことを示す「IgG抗体」が検出されていた。慎重を期すため専門家の指導の下で、2日の西武戦後に4人のPCR検査を実施。徹底した検査態勢で感染者を洗い出した形だ。

 回復を示す抗体を持っていることから、専門家は感染から回復後、かなりの時間が経過していると見解を示している。念のため2人は都内の医療機関に入院。今後はPCR検査を連日実施して、陰性を確認次第、チームに再合流する。症状がないため、NPBのガイドラインでは2週間の自宅待機の必要はなく19日の開幕戦にも間に合う見込み。都内の球団事務所で対応した今村司球団社長は「19日の開幕に向けて全選手健康な形で、万全を期して迎えたいと思っております」と話した。

 球団は3月3日の札幌遠征から外出禁止措置を取り、不要不急の外出を禁止してきた。直近2週間では坂本は緊急事態宣言解除後の5月29日に友人と昼食を取った以外、外食はなし。大城は同28日に同僚2人と約2時間夕食を共にしただけで今回の感染とは無関係とみられる。

 報告を受けた保健所は9人を濃厚接触者と判定したが、球団は聞き取り調査を行った上で念のためこの日26人のPCR検査を実施。近日中にも検査結果が出る。その他の首脳陣、選手ら1軍の全スタッフは、4日に同検査を受ける。

 6・19開幕の2週間前に思わぬ事態が発生したが、感染が広がっていなければチーム活動に与える影響も最小限となりそうで、今村社長は「シーズン中も抗体検査、PCR検査を定期的に実施して健全なプロ野球にしていきたい」と話す。現時点では5日のヤクルト戦(東京ドーム)は予定通り実施する。

 ▽抗体検査 微量の血液から、新型コロナウイルスの感染歴を示す抗体の有無を調べる。一般的にはPCR検査のように感染しているかを調べるものではないが、同検査よりも短い時間で結果が分かることから、集団内の感染の既往を把握するのに適しているとされる。抗体は今回検出されたIgGをはじめ、5種類。IgGは感染から約10日目以降につくられ、感染後期かすでに治癒したことが大まかに分かる。

 ◆坂本 勇人(さかもと・はやと)1988年(昭63)12月14日生まれ、兵庫県伊丹市出身の31歳。光星学院では3年春のセンバツに出場。06年にドラフト1位で入団し、08年に遊撃のレギュラーに定着。15年から主将を務める。12年に最多安打、16年に首位打者を獲得。昨季は143試合に出場し、打率.312、40本塁打、94打点でMVPに選出された。日本代表として13、17年のWBCに出場。1メートル86、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆大城 卓三(おおしろ・たくみ)1993年(平5)2月11日生まれ、沖縄県那覇市出身の27歳。東海大相模では3年時に春夏連続で甲子園に出場し、夏は「4番・捕手」で準優勝。東海大4年春の全日本大学選手権ではMVP&首位打者(.533)に輝き、優勝に貢献した。NTT西日本を経て17年にドラフト3位で入団。昨季は109試合に出場し、打率.265、6本塁打、30打点。1メートル87、90キロ。右投げ左打ち。
 

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