ロッテ・鳥谷 新天地での活躍が古巣阪神への恩返し「常に自分のベストを尽くす」

[ 2020年5月18日 05:30 ]

自主練習を行う鳥谷(球団提供)
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 いつか、また必ず――。ロッテ・鳥谷敬内野手(38)が17日、球団を通じて報道陣の質問に答え、古巣・阪神ファンに再び勇姿を見せることを誓った。新型コロナウイルスの感染拡大により、5月26~28日に甲子園で予定されていた阪神との交流戦も中止に。新天地でのシーズン開幕を待ちわびる38歳は、自主練習に汗を流して「その日」に備えている。

 あの熱気と歓声は決して忘れない。仮に今月26日に阪神との交流戦が行われていれば、鳥谷は昨年9月30日のシーズン最終戦以来、239日ぶりに甲子園のグラウンドに立つはずだった。「(交流戦中止は)今の現状を踏まえると仕方がない」。そして「違った形で阪神ファンの方も含めてお世話になった皆様に見てもらえるように頑張りたい」との言葉に誓いを込めた。新天地での活躍を届けること。それこそが最大の恩返しとなる。

 昨季限りで阪神を退団。引退勧告を拒否し、現役を続行する道を選んだ。しかし、コロナ禍で開幕は大幅に延期に。「誰もが初めての経験。見えない部分が多いのは当然。その中で常に自分のベストを尽くす。置かれている条件はみんな一緒」と心境を語った。

 この日は自宅で練習。グラウンドではキャッチボール、マシン打撃などを行っているが「家では呼吸のトレーニングとかをしている。いつも野球の動きを意識している」と鳥谷。家族と離れて一人暮らしを始め「掃除、洗濯、自炊してという日々。今まで嫁さんにやってもらってなに不自由なく生活ができていた。家族に改めて感謝の思いが強い」。夫人からは冷凍ギョーザなどが届くといい「魚を焼いたり鍋でしゃぶしゃぶもします」と自身の「おうち時間」の一部を明かした。

 「シーズンが終わって、この1年がどうだったのかと振り返ることになる。今年1年のことは今後にもつながるはず。その中で“自分はベストを尽くせた”と言えたら」。交流戦は中止となったが、日本シリーズで阪神と対決する可能性は残る。未来を信じて、鳥谷はバットを振る。(鈴木 勝巳)

 【阪神退団からこれまでの経緯】
 ▼19年8月29日 球団首脳との会談で揚塩健治球団社長から「阪神のスターとして引退」を要望されて態度を保留。
 ▼同31日 巨人戦(甲子園)の試合前に自ら取材の場を設け、今季限りでの阪神退団と現役続行の意思を表明。
 ▼10月13日 巨人とのCSファイナルS第4戦(東京ドーム)の9回に代打で二ゴロ。敗退が決まり、阪神での16年間を終える。
 ▼12月2日 阪神の保留選手名簿から外れ、自由契約選手に。
 ▼20年2月1日 12球団の春季キャンプがスタート。
 ▼3月10日 ロッテが獲得を発表。背番号「00」で年俸は1軍最低保証額の1600万円。「今は感謝の気持ちしかない」とコメント。
 ▼同17日 巨人2軍との練習試合(ロッテ浦和)で移籍後初実戦。3打数1安打で好守も。
 ▼同22日 楽天2軍との練習試合(同)で初のマルチ安打。
 ▼4月27日 15日から自宅待機となっていたチームが、1、2軍の施設を使っての自主練習を再開。

 《遊撃手の通算最多出場へあと6》鳥谷(ロ)は通算2169試合に出場。うち遊撃手としての出場が1761試合ある。遊撃手の通算最多出場は石井琢朗(広)の1767試合。鳥谷はあと6試合でこの記録に並ぶ。また、通算1000得点(過去42人)にあと8、同350二塁打(過去43人)にはあと2と迫っており、今季中の達成目標になっている。

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