【夢のご当地オールスター・北信越編】日本怪獣打線だ!福井の恐竜・松木謙治郎&石川のゴジラ・松井秀喜

[ 2020年5月2日 05:30 ]

松木謙治郎
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 新潟と長野、そして富山、石川、福井の北陸3県によるドリームチームは、それぞれのお国柄が表れる構成となった。

 近畿に近い福井は阪神との関連が強い。松木謙治郎(敦賀商)は、今年球団創設85年を迎えるタイガースの初代主将で初代4番。36年春に開催された第1回日本職業野球リーグ戦(春季)では4番松木、5番景浦将、6番藤村富美男というオーダーで第1戦に臨んでいる。1キロバットで広角に打ち分け、37年春には首位打者、本塁打王の2冠にも輝いた。

 ライバル巨人のエース沢村栄治攻略に向け、近距離から投手に投げさせて打ち込みを行い、37年と38年の年度優勝決定戦では、1番で出場し、2年連続で巨人を下す第1期黄金時代に貢献した。戦前戦後と2度監督も務め、通算成績は11年で1255試合、628勝。2リーグ分裂で選手が引き抜かれる危機にも立ち向かった。球団史「阪神タイガース 昭和のあゆみ」でも「松木の手腕と情熱が高く評価される」と記されている。

 辻佳紀(敦賀)は64年の阪神リーグ優勝時の正捕手。「ヒゲ辻」のニックネームでファンに愛され、引退後はタレントとしても活動した。現阪神OB会会長・川藤幸三(若狭)は代打で甲子園を沸かせた春団治。83年オフには戦力外通告を受けたが「給料はいらんから野球をさせてくれ」と球団に直談判。リーグ優勝、日本一の85年には全試合ベンチ入りし、チームの精神的支柱となった。

 クリーンアップには巨人のレジェンドが揃った。4番は巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜(星稜)。NPBで332本塁打、本塁打王3回。MLB175本塁打、09年にはヤンキースでワールドシリーズ優勝に貢献しアジア人初となるワールドシリーズMVPを受賞した。日米でゴジラの愛称で親しまれたスラッガーだ。

 もう一人、中島治康(松本商)は巨人結成時からの初代メンバーで、36年7月には球団第1号本塁打を放っている。38年秋季リーグでは打率・361、本塁打10、打点38で日本プロ野球史上初の3冠王となり、最高殊勲選手にも選ばれた。ワンバウンドの球を本塁打にしたパワーと、打つと決めたら、どんな悪球でも打つ「ボール打ちの名人」としても知られる。現役からはオリックスの主軸となった吉田正尚(敦賀気比)が唯一、メンバー入りした。

 エースを任せた今井雄太郎(中越)は球史に残る「酒仙投手」。気の弱さを克服するため、阪急時代は当時の上田利治監督公認で、酒を飲んでから登板した伝説の持ち主。78年8月31日のロッテ戦では史上14人目、昭和最後の完全試合も達成している。

 個性豊かな選手を率いるのは「あぶさん」景浦安武の生みの親、漫画家の水島新司だ。勝負どころでは「代打・景浦」のコールが響き渡る。(鈴木 光)

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