プロ野球 交流戦中止決定 6・19から最大125試合目標も無観客開幕濃厚  

[ 2020年4月18日 05:30 ]

オープン戦同様、公式戦開幕も無観客で迎えることが濃厚なプロ野球
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 プロ野球の12球団代表者会議が17日、オンライン会議で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大で延期しているセ、パ両リーグの公式戦の5月中の開幕を断念し、交流戦中止を決めた。05年に導入された交流戦が実施されないのは初めて。今後は125試合開催を目指し、最短で6月19日開幕を目指すとみられるが、7月以降にずれ込むことも予想される。感染防止の観点から、開幕は史上初の無観客で迎える可能性が高まった。 

 またも苦渋の決断を迫られた。交流戦中止を決断した斉藤惇コミッショナー(80)は無念さを絞り出した。「交流戦を見送るのは大変な決断でした。心待ちにしたファンの方々には大変申し訳なく思う」。加えて5月中の開幕と、レギュラーシーズン143試合開催を断念したことを明言した。

 開幕日についての議論は凍結しているが、代表者会議では6月14日の交流戦最終戦までの入場券の払い戻しを決めた。減速しない新型コロナウイルスの感染拡大の前に、視界は一向に開けない。交流戦18試合分を引いた125試合開催が目標となり「今の計算ではそう。(感染)状況がこれで終われば125」と斉藤コミッショナーは明かした。交流戦明け再開の6月19日が最短候補に挙がるが、そこですら不透明。「6月中の開幕も難しいのではないか」と漏らす関係者もおり、7月以降にずれ込む可能性も十分にありそうだ。

 球界には避けたい選択肢が、次々と現実的になってくる。開幕を迎えても、当面は無観客開催となる可能性が高まった。「状況が状況ですし否定できない」と斉藤コミッショナー。ソーシャルディスタンスの確保へ、以前から大幅な入場制限などの話し合いも行われてきたが、世界的にもプロスポーツ興行は無観客の流れに傾いている。日本国内の感染状況も地域差があり、12球団の本拠地全てで感染が落ち着かないと、有観客での開催は難しい。同コミッショナーは「お客さんが入れない状況でも、野球ができて、テレビ、ネットで配信され、皆さんが元気になれたらいいなという考えはあります」と続けた。

 無観客開催でもチームという集団での移動のリスク、入場できなくても球場周辺やスポーツバーなどに密集を招くリスクも残る。新たなシーズンの全体像を描くにはもうしばらく時間を要しそうだ。 (後藤 茂樹)

 ≪5・6以降に日程目標設定か≫12球団は政府の22日の専門家会議を受けて、23日に新型コロナウイルス対策連絡会議と代表者会議を開く。開幕日については今月下旬から5月上旬にかけて議論するとしており、「23日に必ず決めるとかはまだ言えない。5月6日の後、緊急事態宣言を振り返る分析を見て決めるケースもあると思う」と斉藤コミッショナー。政府の専門家会議は5月6日前後にも行われる見込みで、その見解を受けた後に代表者会議を開き、開幕目標を決める可能性もある。

 ▽セ・パ交流戦 05年から始まり05、06年はカード6試合(ホーム3、ビジター3)総当たりの36試合制。07~14年は1カード4試合(ホーム2、ビジター2)総当たりの24試合制だった。15年以降はどちらか一方のホームで1カード3試合総当たりの18試合制となっている。過去15年の通算勝敗はパの1098勝966敗60分け。09年以外はすべてパが勝ち越している。今季は5月26日から6月14日まで、各球団18試合ずつが組まれていた。

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