阪神・矢野監督 藤浪ら3選手のコロナ感染で球界混乱謝罪「責任はうちにある」

[ 2020年4月8日 05:30 ]

阪神の矢野監督
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 阪神の矢野燿大監督(51)が7日、西宮市内の球団施設で揚塩健治球団社長、谷本修球団本部長、平田勝男2軍監督らと緊急会議を開き、活動再開への可能性を模索。約1時間の会議後は、プロ野球では最初に新型コロナウイルスの感染者を出したことにチームを代表して謝罪した。「責任はうちにあると思う」。また緊急事態宣言が発令されたことを受けて、今後も当面のチーム活動停止を継続することを確認した。

 3月25日のDeNA戦以来13日ぶりの公の場。矢野監督はまず関係各所に謝罪した。藤浪ら3選手がプロ野球では初の新型コロナウイルスの感染者となり、チームを率いる責任者として沈痛な面持ちで言葉を並べた。

 「皆さんには申し訳ないし、球界にも迷惑かけた。地域のみなさんにも迷惑かけた。俺らが分からないところにも多大な迷惑かけてしまった。申し訳ないなと。反省と…。責任はうちにあると思う」

 さらに保健所に3選手との濃厚接触者を複数人指定され、感染拡大防止へチームは活動停止中。選手寮「虎風荘」では自室待機が続き、一部選手には避難を認めるなど完全に日常を失っている。

 「まだ先が見えないところがある。選手も、監督としても、早く再開したい気持ちと…。世の中の状況とかいろいろなことを考えると我慢せざるを得ない。一番はそっち(感染拡大防止)を考えているのは間違いない」

 藤浪ら3選手の症状が出た3月26日から当初は1週間後の4月2日、そして2週間後の同9日と活動再開日を模索してきた。しかし兵庫県が緊急事態宣言の対象地域にもされたこの日の緊急会議で、さらに活動停止期間を延長することを確認した。しかも当面の間という、先行き不透明なものだ。

 谷本球団本部長が説明する。

 「開幕が見えていないので、なかなかタイムスケジュールは組みにくい。基本的にはこういう考え方でやっていこうと、すり合わせをしたところです」

 一日でも早く、いつか訪れるであろうシーズン開幕へ動き出したいのが本音だが、矢野監督は「また誰か(感染者が)出ると迷惑を掛けてしまう。段階を踏んで、しっかり見極めながらやっていくべき」と慎重にならざるを得ない。

 世界規模での非常事態に、刻一刻と変わる社会情勢を無視することもできない。そしてプロ野球12球団の足並みを乱すわけにもいかない。「みんなが苦しい状況なので。俺らも一国民として、しっかりやれることをやっていくところの確認」

 全員が集まってチームとして活動したいものの、今はまずは施設を開放して、選手たちに練習場所を提供してやれないか…と願っている。(山本 浩之)

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2020年4月8日のニュース