新井貴浩氏 医療従事者に伝えたい 心から「ありがとうございます」

[ 2020年4月7日 09:00 ]

新井貴浩氏
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 【新井さんが行く!】本来なら各球場に足を運んで熱戦を観ていたはずだった。開幕が遠い。どういう形で開幕できるのか。正直なところ先が見えない。いままでにない事態。見えない敵との戦いがこんなに重苦しい気持ちになることを改めて思い知った。

 完全な形での公式戦は厳しくなった。全試合の消化は難しく、満員の球場も望めない。球団運営にも影響が出てくるかもしれない。前例のない事態だから、前例ない対策が必要になる。守るべき優先順位を決め、クライマックスシリーズやオールスターの取りやめなども考えないといけない。やはり、コミッショナーのリーダーシップが大切になると思う。

 選手たちの健康が担保されることを大前提に無観客での開催も選択肢に挙がると思う。自宅で過ごす時間が増えた人が多い。テレビ中継を通じてだけでも選手たちが必死にプレーしている姿を見たい…と思う。世の中が暗くなっているので、少しでも明るく照らしてくれるものがほしい。ファンの人たちと近い心情だ。ただ、まだ、その時期ではないかもしれない。

 いま必死に頑張ってくれているのは、医療現場に従事している人たちだ。報道などで伝わる懸命な姿に頭が下がる。それに比べれば、多少の不自由に不満など言えない。選手の頃、たくさんの「頑張れ」や「ありがとう」をもらった。自分たちの家族もいる中、医療の最前線で奮戦している人たちに、いまは心から「ありがとうございます」と伝えたい。少しでも余計な負担をかけないためにも日々の生活に最大限の注意を払いたい。

 阪神の後輩から球界初の感染者が出た。注目度が高いこともあって(藤浪)晋太郎が批判の矢面に立つ形になった。いまの状況を見ても分かる通り、誰もが感染する可能性がある。それに伝わる限り会食には晋太郎よりも年長の選手がいたという。年長者には相応の立場と責任があると思う。自覚を持って後輩たちを導いてほしかったというのが、OBの1人としての率直な思いだ。

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2020年4月7日のニュース