ロッテ朗希のすごさ アドレナリン出ずとも150キロ超連発 「今の日本人では…」時代からの進化

[ 2020年4月5日 09:00 ]

3月24日に初のフリー打撃登板を行った佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希が3月24日に自身初のフリー打撃登板を行った。150キロ台の剛速球を連発し、最速は157キロをマーク。その直前のウオーミングアップでは、ZOZOマリンの球場計測で158キロが出ていた。

 これまでの記者経験から投手は実戦の中で、強打者と対戦したり、ピンチで絶体絶命の瞬間にギアが上がるものだと思っていた。ウオーミングアップで158キロなんて、「さすがに、これは速すぎだろう」と思った。ところが、ケージ裏で計っていたスピードガンでも、155キロが出ていたという。

 誤差は微々たるもの。佐々木朗はアドレナリンが出なくとも150キロ台後半が出るのだ。これは、もう驚くしかない。翌日、ダルビッシュも自身のツイッターで「もうまじで170km/h投げるんちゃうか。。」とつぶやいたという。日本ハム時代のダルビッシュから、「今の日本人では160キロを投げるのは無理」と聞いたことがあった。勘違いしてはいけない。「日本人には無理」という意味ではない。実際に、そのオフからダルビッシュは肉体改造に取り組んでいた。

 しかし、まだ未完成の佐々木朗がこれだけの剛速球を投げる。大きな体に長いリーチ、抜群の柔軟性と瞬発力も持っている。プロテインやサプリ、トレーニング方法も進化しているとはいえ、やっぱり凄い。10年前に聞いた「今の日本人では…」から、時代が進化したということなのだろう。

 球速表示はスピードガンの角度によって大きく替わる。日本ハム担当時代には、札幌ドームのスピードガンでダルビッシュの球速が150キロ前半から、1年後には一気に150キロ台後半となったことがあった。これは、札幌ドームのスピードガンを替えたのではなく、測定する角度を少し変えただけと聞いた。

 その後、大谷が日本ハムに入団すると、最初から150キロ台中盤が安定して出た。そして、ギアが上がると160キロを超えた。報道陣の間でも「球速が出やすい」といわれる球場と、そうでない球場がある。さらにいえば、ここの球場は「左投手が出やすい」というところもあった。

 今年からロッテ担当となり、これでダルビッシュ、大谷、佐々木朗の3人を担当したことになる。この三人が、近年では「トップ3」の剛腕投手となるだろう。もっともダルビッシュは、変化球も球史に名を残すほど凄まじい。この3投手を担当記者として取材したのは「世界で一人だけ」というのが自慢だ。もちろん、凄いのは彼らで、自分は単なる偶然なのだが…。幸運だと思っている。(記者コラム 横市 勇)

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