ロッテ・朗希、スライダー解禁 切れ味菅野級!槙原寛己氏が高評価「完成度ある」

[ 2020年3月28日 05:30 ]

打撃投手登板でスライダーを投げる佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)が27日、ZOZOマリンで2度目の打撃投手を務め、打者を相手に変化球を「解禁」した。40球のうちスライダーを8球、フォークを6球投げ、山口航輝外野手(19)からスライダーで空振りを奪うシーンも。打撃ケージ裏から熱視線を送った本紙評論家の槙原寛己氏(56)はスライダーの切れ味は巨人・菅野智之投手(30)に匹敵すると高く評価した。

 打撃ケージ裏にも、ボールの迫力が伝わってきた。まず直球。シュート回転もせず、特に高めは力があった。ファウルでカウントを取れる。佐々木朗の大きな武器の一つと言っていい。その武器があればこそ、変化球もさらに生きる。140キロ前後のスライダーは角度もあり、カットボール系で小さく、鋭く横にクッと曲がっていた。ほとんどストライクゾーンに来ていたし、切れもいい。使えるボールだ。指に掛かった時は巨人・菅野のスライダーをほうふつさせた。それだけの完成度がある。

 課題といえばフォークか。この日は落とそうと意識しすぎたのか、フォークを投げる時だけ上体が前に突っ込んでいた。その結果、右腕が体から離れて遠回りする形となり落ちが悪くなった上に抜けるボールが増えた。実はこのフォーム矯正のために役立つ球種がある。カーブだ。

 登板後、28日放送のTBS系列「S☆1」の取材で佐々木朗に話を聞いた。カーブは高校時代、遊びの感覚で投げていた程度だったという。確かに彼ほどの腕の振りの速さだと、「抜く」感覚が大切なカーブを投げるのは難しいかもしれない。しかし、投球パターンに加えれば、縦の変化で打者の視線を動かせると同時に、160キロ超の直球との大きな緩急差を生み出せる。

 また、カーブはしっかりとした縦の腕の振りで投げないと曲がらない。フォームの修正にはもってこいで、上体が突っ込むこともなくなる。佐々木にとっては一石二鳥、三鳥の球種といっていい。

 本人と話していても「今年、1軍で早く投げたい」との強い思いが伝わってきた。ここまでは順調そのもの。その筋道ははっきり見えていると思う。(本紙評論家)

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