4・24開幕目指すプロ野球 入場制限8割減も…密集、密着回避へ「各球団検討して」

[ 2020年3月24日 05:30 ]

<新型コロナ対策連絡会議会見>会議を終えて会見するJリーグ・村井チェアマン(左端)とNPB・斉藤コミッショナー(右端)(撮影・篠原岳夫)
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 プロ野球は23日、12球団代表者会議を都内で行い、4月10日以降に延期していた開幕を先延ばしして4月24日を目指すと決めた。同日にJリーグと合同で行われた「第4回新型コロナウイルス対策連絡会議」では、専門家チームから厳しい提言を受けた。観客については感染拡大防止のため大幅な入場制限が必要で、状況次第では5割以上、最悪の場合は8割近い入場者減も検討している。

 政府の専門家会議で19日に出された提言は、新型コロナウイルス対策連絡会議でも議論された。大規模イベントは密閉、密集、密接の回避が重要。感染防止へ「手が届く範囲以上の距離を保つ」ことも一例で明記された。4月24日に開幕を迎えられても、スタンドは満員どころか、大幅な入場者減が避けられない状況となった。

 「飛沫(ひまつ)感染の距離は2メートルとも聞く。手の届く範囲を避ければ、(入場者は)50%以下になるのかなとは思う」。オリックスの横田昭作球団本部長補佐は入場5割減となる可能性を口にした。球場により客席の大きさや間隔などは異なる。全体で具体的な削減目標は決められないが、一時的には7~8割減を覚悟する試算もある。具体策は今後詰め、事態の収束具合を見極め入場者は増やす方針だが、険しい船出となる。

 オーバーシュート防止へ。斉藤惇コミッショナーは「ファンの感染リスクを可能な限り下げることが重要。入場制限を各球団に検討してもらいたい」と訴えた。販売済みのチケットを払い戻す必要も生じ、「もう一度やり直さないと。簡単ではない」と痛みを伴う難局を選択した。システムの煩雑さから反対球団もあったが、別の球団は開幕を待ち望むファンのため採算度外視の姿勢も強調した。

 来日2週間を経ない海外渡航者や高齢者、複数の基礎疾患のあるファンへ来場自粛を呼び掛ける提言も受けた。応援スタイルの変更だけでなく、ファンの人数も絞り込むことに。世界に自粛ムードがまん延する中、安全に球音を届けるため、苦肉の一歩目を踏み出す。

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