広島・スコット 守護神争いリード!変化球キレッキレ 3者連続K

[ 2020年3月22日 05:30 ]

練習試合   広島1―3中日 ( 2020年3月21日    マツダ )

<広・中>8回に登板したスコットは3者三振に抑える(撮影・奥 調)
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 広島のテイラー・スコット投手(27=オリオールズ)が守護神争いをリードする好投を見せた。21日の中日との練習試合(マツダ)に8回から登板し1回を3者連続三振に仕留めた。外国人3投手によるストッパー争奪戦は、この日に登板したDJ・ジョンソンが1回2失点で後退。残るフランスアも低調で、スコットが最短距離にいる。

 ライバルたちとは対照的に輝きが増していく。0―1の8回に3番手で登板したスコットは、相手打者がバットに当てることさえ困難なほどに変化球が切れていた。先頭の平田に対しカウント1―1から2球連続のスライダーで空振り三振を奪うと武田には初球から3球全てスライダーで空振り三振。高橋には全7球のうち6球がスライダーで最後も外角へのスライダーでバットに空を切らせた。

 「しっかり直球を低めに投げようと思ったけど、スライダーの調子が良かったので頼った部分もあった。キレがあったと思う」

 本来は150キロ超のツーシームを軸に、バットの芯を外しゴロを打たせて取るスタイルだが、この日は全14球中、11球がスライダーだった。「プランではなくて(捕手の)坂倉が選択してくれて多くなった」。バットに当てられたのは、高橋がファウルした1球のみ。配球が偏っても打たれないほどにキレキレだった。

 助っ人3投手で展開される守護神争いは、開幕が延期されたこともあり「決着」が先送りされている。オープン戦防御率7・71のDJ・ジョンソンは、この日も1回2失点で後退した。昨季途中から抑えを務め今季も最有力だったフランスアは、150キロ後半の直球が戻らず低調なままだ。

 そんな中で、スコットはオープン戦6試合中4試合で無失点と着実に評価を上げてきた。佐々岡監督は「(今日の結果の差は)明らかだけど、まだまだ先を見ながら競争してもらう」と明言こそ避けたが唯一、安定感を見せ続ける男が守護神の座に向け、前進したことは間違いない。

 「あとは直球の精度を上げていきたい。(役割は)自分では決められないこと。守護神でもセットアッパーでも、言われたところでベストを尽くしたい」

 喫緊の課題である勝ちパターンの再構築は、NPB初となる南アフリカ出身投手が命運を握っている。(河合 洋介)

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2020年3月22日のニュース