阪神・高山 外野レギュラー獲りへ喜ばない4安打 大当たりより左投手で代えられ「悔しい」

[ 2020年2月23日 05:30 ]

オープン戦   阪神6―2中日 ( 2020年2月22日    北谷 )

<中・神>7回2死、、高山は中前打を放つ(撮影・山口 和洋)
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 阪神・高山俊外野手(26)が22日、中日とのオープン戦初戦(北谷)で4打席全てで安打を連ね、打撃好調を見せつけた。新人王に輝いた16年公式戦を最後に過去3年間は一度もなかった1試合4安打の大当たり。猛打に満足せず、左投手に対した9回の代打交代を悔しがったことも自信の表れだ。レギュラー奪取を期すオープン戦で最高の発進を飾った。

 高山は4安打した試合後とは思えないくらい険しい表情で本音を吐き出した。

 「内容もあって良かったですけど、最後、左投手の時に代えられたことに悔しさを持つべきじゃないですかね。(他の打者との打席数の兼ね合い)かもしれないですけど、僕にとっては、そこに悔しさを持ってやっていかないといけない」

 2回先頭で左腕ロメロから遊撃への内野安打を放った後、山井、吉見、ロドリゲスの右投手3人から快打を重ねた。そして、再び左腕の岡田と対戦するはずだった9回に陽川を代打に送られて交代。首脳陣からすれば敵地・北谷に遠征してきた選手を可能な限り出場させる配慮でも、高山はあえて“違う理由”を自らに突きつけた。

 昨季も右投手への打率・296(213打数63安打)に比べて、左投手には同・172(58打数10安打)。左腕への対応力が不動のレギュラーへ近づく鍵であることは明らか。その課題と真っ正面から向き合っているからこそ、悔しさが勝ったのだ。

 内容もピカイチだった。2回は坂本の先制弾を呼び、3回は2死一塁からの右前打で好機を拡大。5回2死では2ボールから吉見のカウント球を一振りで仕留めて一、二塁間をゴロで破り、7回2死無走者でもロドリゲスの初球変化球を逃さず中前へライナーで弾き返した。充実ぶりは矢野監督にも伝わる。

 「このキャンプずっと言っているけど、何とかしたいという気持ちを持ちながらやっている。あのボテボテのヒットからの4本というのは価値があると思う」

 23日の広島戦(コザしんきん)で今春初実戦を迎える糸井に福留、サンズ、近本ら外野陣には強力なライバルが顔をそろえる。「立場的にもギリギリ。チャンスを与えてもらっているうちに出し切りたい。レギュラーとして試合に出られるよう頑張ります」。一方で定位置を確約されている選手は一人もおらず、ベテランが無条件で試合に出られるわけでもない。野心むき出しの高山が、その座を奪い取っても何一つおかしなことはない。(巻木 周平)

 ≪4打席で4安打は初≫高山(神)が1試合4安打の固め打ち。オープン戦では5年目で初めてで、公式戦では新人だった16年に3度記録した。過去3度はいずれも凡打を挟んでおり、4打席で4安打は初めて。

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