阪神の新外国人・ボーア “シフト”破って対外試合初安打 好守も披露

[ 2020年2月21日 05:30 ]

練習試合(特別ルール)   阪神9―1楽天 ( 2020年2月20日    宜野座 )

<神・楽>5回裏無死、中前打を放つボーア。投手釜田(撮影・北條 貴史)
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 阪神の新外国人、ジャスティン・ボーア内野手(31)が宜野座キャンプ第4クール最終日だった20日、楽天との練習試合で対外試合3戦目、通算7打席目にして初安打を放った。右よりの守備隊形に惑わされず初回の一ゴロで初打点を挙げ、5回に中堅右へ快打を運んだ。懸念材料だった一塁守備でも好捕を披露。3月20日のヤクルトとの開幕戦(神宮)をちょうど1カ月後に控え、虎党の期待をまた高めた。

 ボーアが予定通りの“おかわり”で待望の快音を響かせた。5回先頭の第3打席。カウント2―1から釜田の138キロ直球を中堅右へ弾き返し、対外試合3試合、計7打席目で初安打を生み出した。
 「ゲーム前から、2打席良くなかった場合は、もう1打席もらう予定だったんだよ。3打席目はランナーに出て欲しい場面でヒットを打てて良かった」

 遊撃手が二塁ベースに寄り、二塁手が一、二塁間を詰める「ボーア・シフト」を敷かれても関係ない。普段通りの打撃を貫いた。代走を送られて交代し、「二盗、三盗でホームに還ってくるつもりだったんだけどね」と冗舌で上機嫌だった。

 初回無死二、三塁では好捕された一ゴロで三塁走者を還し、初打点も付いた。2球で追い込まれてからフルカウントまで持ち込み、計8球を投げさせた。結果だけでは測れない魅力が詰まり、矢野監督も満足げだ。

 「誘ってきた変化球にも、そんなに食らいついていく、追いかけていくというのもなく、自分の形の中でしっかり見送ってというのは頼もしく見える」

 打席以上に大きな歓声を浴びたのが5回の守備だった。2死無走者から一塁線へ飛んだ鈴木大の強烈なゴロを横っ跳びで好捕。「野球は打つだけではない。自分の仕事をしただけさ」。初実戦だった同僚エドワーズを救った好守に涼しい顔。1メートル93、122キロの巨体を駆使した俊敏な動きで場内をどよめかせた。

 退いた後はベンチ近くの席で観戦していた少女にサイン入りバットをサプライズでプレゼントした。

 「折れたバットがあれば、子供を見つけてあげるようにしている。そうすることで野球を愛してくれたり、野球が発展していくのに必要なこと」

 ズバ抜けた怪力、しなやかなバットコントロール、意外に素早い!?守備、そして、優しい心まで猛虎の新4番は持ち合わせる。“当たり”と願う虎党の期待を、日に日につり上げている。(巻木 周平)

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