楽天・則本昂 新球ナックルカーブ試し斬り!“異例”配球も1回わずか10球の完全投球

[ 2020年2月17日 05:30 ]

練習試合   楽天6-7阪神 ( 2020年2月16日    宜野座 )

<練習試合 神・楽>新球ナックルカーブを投げる則本昂(撮影・大森 寛明)
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 楽天の則本昂大投手(29)が16日、阪神との練習試合に先発。今季初の実戦ながら1回をわずか10球で打者3人を完全に抑えた。投じたのは直球と習得中のナックルカーブだけ。あえて他の持ち球を封印し、新球の精度を高めることに集中した。また、この試合は両軍で監督を務め、11日に死去した野村克也氏の追悼試合として実施された。

 異例の配球で確認作業に徹した。則本昂は実戦初登板のマウンドを新球のナックルカーブを試す絶好の機会と捉えていた。先頭の木浪を初球の直球で中飛に打ち取ると2番・近本には初球から2球続けて新球。続く糸原にも初球から4球連続で新球を投げ込んだ。

 「カーブを多く投げたかった。あまり良くはなかったけど(打者に)投げられたことが収穫。実戦でなければ分からないこともあるので。それが確認できて良かった」

 全10球のうちナックルカーブは6球。ストライクを取れたのは糸原への初球の外角への1球だけだった。それでも、実際に試合で投じたことに大きな意味がある。降板後は「決め球にも使いたかったけど1球だけでもカウントを取れた球もあった」と前向きだった。

 昨季は右肘手術の影響もあって5勝に終わり、入団から続けていた連続2桁勝利の記録も6年でストップ。巻き返すと同時に東京五輪での活躍も目指す今季に向け、新球種の習得に取り組む。元々110キロ台のカーブを持っているが、ナックルカーブは120キロ台前半。力強く縦に割れる変化で打者の目先を変え、カウント球だけでなく、ウイニングショットにも使える球種と位置づける。習得すれば、この日も最速151キロだった自慢の直球がより凄みを増す。

 この試合は楽天でも指揮を執った野村克也氏の追悼試合として実施された。これまで同氏と直接の縁はないが「追悼試合ということで自分のやるべきことをやって、恥ずかしくない投球をしようと思っていた」と話した。

 次回登板ではより制球力を向上させた上で、他の球種とのコンビネーションを確認する予定。「次はもっとストライクを取って使える球にしたい」。開幕投手が確実な右腕は、自らに一切の妥協を許さず「トライ&エラー」を繰り返していく。(重光 晋太郎)

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