新井貴浩氏 日本ハム・近藤のミートポイントの大きさは「天才的」

[ 2020年2月17日 06:45 ]

日本ハム・近藤(左)に声をかけるスポニチ本紙野球解説者の新井氏(撮影・村上 大輔)
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 【新井さんが行く】スポニチ本紙評論家・新井貴浩氏(43)がプロ野球の春季キャンプを巡る「新井さんが行く~侍戦士の春」は東京五輪を控える侍ジャパン候補を中心に近況に迫る。キャンプ編は今回で終了。

 日本ハムの近藤は東京五輪を戦う侍ジャパンにとって不可欠な存在と言っていいね。4番候補の誠也と同じように「代えのきかない」選手だ。昨秋のプレミア12の28人から選手枠が4人も減る中で捕手を3人にするのは現実的に難しい。いま外野を主としている近藤は内野の経験もあるし、万が一の時には捕手もできる。もちろん、有事への備えだけではない。普通にスタメンを張れる実力者だからね。

 彼の打撃でスゴいのは、ミートポイントが群を抜いて大きいこと。残念ながら雨で中止になったヤクルトとの練習試合。練習の最後まで熱心にやっていたティー打撃に秘訣(ひけつ)が詰まっていた。

 打った後に一塁へ走る左打者は右打者以上に体の開きを押さえることを意識する。近藤の場合は、右股関節で強烈な“フタ”をつくることができるので、普通なら態勢を崩される球も拾える。逆に体近くへ差し込まれそうな時には反射的にフタを解放し、他の打者ならどん詰まりかファウルにしかできないような球を逆方向へ安打することができる。

 球を捉えるゾーンが前後にも左右にも広いから、「天才的」と言われるし、昨季最高出塁率のタイトルを獲得したように高い確率の打撃ができる。あのティー打撃のように積み重ねてきた土台があるからできることだ。

 栗山監督ともゆっくり話すことができた。選手を指導する立場になったことはないけど、「名選手=名指導者」ではないというのが個人的な考えだ。むしろまったく別モノだと思う。栗山監督は監督としてスゴい実績を残しながら、謙虚な姿勢は変わらないし、常に新しいことに挑戦しようとしている。何より選手に対する愛情を随所に感じる。改めて尊敬の念が強くなった。

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2020年2月17日のニュース