阪神キャンプ参加のBC茨城・池田瞳夢 安芸でつかんだ“金言”でNPBへの道切り開く

[ 2020年2月15日 09:15 ]

安芸キャンプにアルバイトとして参加しているBC茨城・池田瞳夢捕手
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 春季キャンプが始まって2週間あまり。高知・安芸で行われている阪神2軍キャンプでは、ドラフト1位・西純矢(18=創志学園)ら新人8選手、手術明けでリハビリを兼ねながら調整する島本、不振からの復調を期す桑原ら、さまざまな立場に置かれている選手が連日、汗を流している。

 そんな中、タテジマを着用しているが見慣れない2人がいる。アルバイトとして練習の手伝いをしているのだが、そのうちの1人がBCリーグの茨城アストロプラネッツに所属する池田瞳夢(ひろむ)捕手(23)だ。

 関東第一高ではオコエ瑠偉(楽天)の1学年先輩。14年選抜では2回戦の明徳義塾戦で岸潤一郎(現西武)から2安打を放つなど2試合に出場した。立正大を経て昨年、新規参入した茨城に入団。06年から16年まで阪神でプレーした坂克彦が監督を務めている縁もあり、中日、オリックスで投手だった長峰昌司ヘッドコーチからも「行ってみたらどうだ。レベルアップのためもプロの技を見てこい」と背中を押され、参加に至った。

 池田には悩んでいることがあった。茨城入団後、「ホームから二塁には普通に投げられるんですけど、一塁や三塁の短い距離が投げられなくなった。なぜか力が入らなかった」と送球イップスに陥っていたのだ。

 ただ、練習を手伝うだけでなく、自身の不安解消にも努めた。「バント処理の練習を見ていて右投手でうまいなと思ったのが牧くんだった。どういう意識で投げているのか」と年下である牧丈一郎投手(20)にアドバイスを求め「体の開きが早すぎるんじゃないですか。正面を向くのが早いから、もっと抑えたほうがいいんじゃないですか」と助言を受けた。これが金言となった。「そこから送球が良くなった。真っすぐボールもいく。前はどこにいくか自分でも分からなかった」。悩み続けた課題の一つがこのキャンプで解決された。

 ブルペン捕手など本来の仕事を終えた後、山田勝彦2軍バッテリーコーチから捕球について指導を受ける。目標とするNPBへの挑戦は、今年で最後と決めている。「自分にとってはめったにないチャンス。今年にかける思いは強いです」。安芸の地でつかんだヒントから、夢への道を切り開く。(記者コラム・阪井 日向)

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