阪神・藤浪 完全復活へ驚異の“157キロ” 抜け球なし2回無安打

[ 2020年2月10日 05:30 ]

練習試合   阪神4―8日本ハム ( 2020年2月9日    宜野座 )

夏の甲子園優勝投手の先輩・斎藤佑(左)が見つめる中、力投する藤浪(撮影・北條 貴史)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(25)が9日、開幕ローテーション入りへ大きなステップを踏んだ。初の対外試合登板となった日本ハムとの練習試合(宜野座)に先発し、2回無安打無失点。2四球を与えたが右打者への抜けたような球はなく、中継テレビの計測では驚異の157キロをマーク。完全復活への道を着々と歩み出した。

 バットを振らせることすらさせなかった。初回1死二塁で昨年鳴り物入りで日本ハムに入団した王柏融ワンボーロンと対戦。カウント2―2から捕手・坂本のサインに首を振り、選んだのが内角直球だった。台湾で2度、打率4割をマークして「大王」と称された強打者もうなるような剛速球に手が出ず、見逃しの三振に斬り捨てた。

 「しっかり球が指にかかっていました。空振りを取れたのも狙ったところとは違うけど、逆球でもしっかり指にかかってたので、いい球だったんじゃないかと思います」

 この日1番のビッグネーム同士の対決に完勝した。3球目は本人が言う逆球の真っすぐで空振り。三振に仕留めた5球目は、生中継した「スカイA」の計測では驚がくの157キロをマークしていた。宜野座球場の表示とは誤差があったものの、球場のスピードガンでも最速154キロ。2月上旬の初対外試合ということを考えれば、やはり規格外だった。

 「1月から投げてきているんで。別に球速は自分の中では“腕振ったら出るやろ”ぐらいの感覚なので、何とも思わないです」
 2回を34球で無安打無失点。2四球はあったが、多少荒れながらでも力でねじ伏せるのが本来のスタイルだ。一番の懸念材料だった右打者の頭部付近への抜け球はゼロ。対戦した4人の右打者には外角中心の配球だったとはいえ、危なげない投球に終始した。矢野監督の評価も上々だ。

 「シート打撃の時よりも良かった。細かいコントロールというよりは、ゾーンの中で強い球で抑えていく投手だと思うんで。次に対して段階を踏んでこられている」

 4日のシート打撃登板後も山本昌臨時コーチや先輩・藤川に助言をもらい、修正に取り組む姿があった。この日の登板直後には、三塁側のカメラマン席で見守っていた福留から一声、激励された。

 「まだまだオープン戦、練習試合と結果を残していかないと。チームに貢献できるように頑張っていきたい」

 自分の立場は分かっている。より緊迫した場面での投球内容が問われるのも承知の上。それでも、迷わず前だけを見て突き進むのが今年の藤浪の覚悟だ。(山添 晴治)

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2020年2月10日のニュース