西武・松坂 14年ぶり名物階段回避 39歳マイペース初日、135段に「長いなあ…」

[ 2020年2月2日 05:30 ]

ファンにサインする松坂(撮影・尾崎 有希)
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 南郷に平成の怪物が帰ってきた。14年ぶりに西武に復帰した松坂大輔投手(39)は、レッドソックス時代の09年第2回WBC事前合宿以来、11年ぶりに懐かしの地を踏んだ。ブルペン投球こそ行わなかったが、約2500人のファンが一挙手一投足を追う中、日米通算22年目シーズンへ軽快な動きをみせた。

 歓迎式典を終え投手用練習場へ移動する135段の階段を下る前に松坂は思った。「長いなあ…」。かつて手すりに腰を乗せ滑り台のように遊び心満点で下った南郷名物も、時が流れ景色が違う。一歩ずつかみ締めるように下りた。

 「帰ってきた感覚はある。でも自分が(階段を)上がるイメージが湧かなかった。だから拒否しました」

 2度あった階段上りの機会では、球団が用意したワゴン車を使用した。「拒否」と冗談めかしたが、昨年、中日の沖縄・北谷キャンプで右腕を引っ張られて右肩を故障した教訓もある。しっかりと周囲を見て動いた。

 触れ合う場面が少なくてもファンは熱狂。松坂が場所を移すたびにファンの大移動が起きた。ワゴン車の前にも人垣が生じ「松坂乗ってるの?」と混乱したファンが驚きの声を上げる場面も。入団1年目の99年、高知・春野キャンプでフィーバーを巻き起こした当時をほうふつさせるシーンとなった。集まった観衆は南郷キャンプ初日では最多の2500人。そんなファンに「なるべく対応する」と宿舎に戻る直前にサインを丁寧に行った。

 どれだけの注目を集めても、独自のペースで調整した。この日はブルペン入りせず、背番号16のユニホーム姿も「この時期に着るのは好きではない。特にルールもないので」とお預け。キャッチボールは6割の力でこなし、ポール間ダッシュ、筋力トレーニングなどを行った後「体が固まってしまう」と再度約20メートルの距離でキャッチボールを行った。

 練習の合間には高橋光、今井、宮川らのブルペン投球を見届けた。「僕が1年目の時は(当時監督の)東尾さんに変化球はOKが出るまでカーブだけだった」と語り「今は違う。みんなそれなりの状態で初日を迎えている」と刺激を受けた。

 「この中で開幕1軍を勝ち取らないといけない。(西武の)歴代の背番号16はいい成績を残している。自分も続いていけるように」。思い出が詰まる南郷で、怪物にスイッチが入った。(大木 穂高)

《この日の松坂フィーバー》

 ▽警備員 日南市観光協会によると、今キャンプでは土、日曜は警備員を例年より2人増員。11人で対応している。名物階段の途中や、その他の階段途中に新たに配置。

 ▽グッズ販売 松坂の復帰に合わせ「松坂大輔投手復帰記念グッズ」を販売。オリジナルのフェースタオル、トートバッグ、キーホルダー、ボールペン&シャープペンセットなど。球団関係者は「実数は公表できないが、多くの方に購入していただいた」。

 ▽駐車場待ち 球場に最寄りで約200台駐車可能の第4一般駐車場は、午前8時すぎの開場前に約15台の行列。警備員によると、午前10時すぎに一時満車になった。

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