オリックス・吉田正 アテネ金の室伏氏“直伝”「エアハンマー」トレで体幹強化 東京五輪にも意欲

[ 2020年1月25日 05:30 ]

室伏氏が考案した「エアハンマー」トレーニングを行うオリックス・吉田正(撮影・郡司 修)
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 オリックスの吉田正尚外野手(26)が24日、東京都文京区の東京医科歯科大で自主トレを公開した。04年アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリストで、同大学の教授を務める室伏広治氏(45)に4年連続で師事。同氏考案の新メニュー「エアハンマートレーニング」で体幹を強化し、「室伏塾」から東京五輪出場につなげる意気込みを示した。

 見慣れない光景だった。重さ10キロの特製ハンマーを振り上げ、振り下ろす途中で静止する。室伏氏が考案した「エアハンマートレーニング」。金づちを使うものではタイヤ叩きが有名だが、同氏は「重い物を持ち上げて止めて、振り下ろしてまた止める。その動作で鍛えないと効果はない」と説明。肩甲骨下部など体幹強化が期待できるという。

 体幹強化は「室伏塾」の狙いの一つで、17年に手術を受けた腰痛の予防が目的だ。「腰の不安はあった。去年も2試合代打とか、しんどい時もあった」と吉田正。ハンマー投げで使う砲丸を両端にぶら下げたバーベルを担いで前後に体を動かす従来のトレーニングに加え、「瞬発系で打球の飛距離も上げたかった。走る、投げるという部分も上げる」と跳びはねるように行うバーベルスクワットにも励み、「五輪メソッド」を注入された。

 「(今季は)結果で(東京五輪に)選んでもらえる数字を出すしかない。五輪に出場して室伏さんに良い報告ができれば、と思います」。

 プロ1年目の16年8月に東京五輪で野球競技の復活が決定。吉田正は翌17年オフから室伏氏の指導を仰ぎ、「五輪代表になりたい」と言い続けてきた。18年から2年連続で全試合出場。昨季は打率・322、29本塁打、85打点をマークし、11月のプレミア12では世界一に貢献した。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクターを務める室伏氏は「向上したい気持ちを持ち続けているのでまだ伸びる可能性がある」と五輪での活躍を期待した。「獲れるタイトルは全部、1番を目指したい」と吉田正。五輪で金メダルをつかみ、シーズンではキャリアハイを目指す。 (湯澤 涼)

 ≪生え抜き主砲の自覚「引っ張っていかないと」≫プロ5年目を迎える吉田正は生え抜きの主砲として「引っ張っていかないといけない」と自覚を口にした。メジャー通算1939安打、282本塁打を誇り、主軸を組むことになる新外国人のジョーンズについては「日本はまた違うと思うので、食事とかコミュニケーションを取って僕も聞いたり、お互いサポートできれば」と相乗効果を期待した。

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