阪神ドラ1・西純 1.17の誓い夢と感動を 13年の田中の勇姿が理想

[ 2020年1月18日 05:30 ]

ノックを受けて送球する阪神・西純矢(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・淡路大震災発生から25年を迎えた17日、阪神のドラフト1位・西純矢投手(18=創志学園)は自らの投球で被災者に勇気を届けたい考えを示した。6400人以上の命を奪った大震災。当時、まだこの世に生を受けていなかったとはいえ、兵庫県に本拠地を置く阪神に入団したのも何かの縁。将来のエース候補として期待される西純は、被災者はもちろん、人々に元気を与えられる選手になることを宣言した。

 「(2011年に)東日本大震災があったときに田中将大さんが被災地のみなさんをすごく元気づけられていた。本当にああいう姿が理想のプロ野球選手だと思う。自分もそういう姿を目指していかないといけない」

 決して忘れてはいけない「1・17」だが、脳裏に浮かんだのは東日本大震災で甚大な被害が出た東北地方に勇気を与え続けた13年の田中の勇姿だった。28試合登板で24勝、1セーブ、防御率1・27。規定以上ではプロ野球史上4人目となるシーズン無敗でリーグ初優勝に貢献。巨人との日本シリーズでは第6戦で完投負けしたが、翌日の第7戦には抑えで登板し胴上げ投手となった。その姿をテレビで見ていた当時小学6年だった西純は“野球の底力”を実感した。

 自身は18年6月末から7月上旬にかけての西日本豪雨を経験。「自分たちの高校は大丈夫だったんですけど、他の岡山の高校は練習ができない中で大会に挑んだりしていた。感謝しながら野球をやらせてもらいました」。

 その後に自身初となる甲子園出場を決め、初戦の創成館戦で16奪三振での完封勝利。「高校野球の中で一番いい投球ができた場所で、自分の中ですごい特別な場所」という聖地が、今年からは本拠地となった。マウンドでの姿をよく想像するといい「いいイメージしか持てないというか、いいイメージばっかり想像できる。そのイメージ通りに野球をできたらいい」と笑う。

 「矢野監督から指名あいさつのときに“人に夢と感動を与えられるような選手になってくれ”と言われた。本当にそこを大事にしてやっていけたらと思います」

 当時を知らなくても、被災者に勇気を、元気を、届けることはできる。「1・17の誓い」は必ず有言実行する。(阪井 日向)

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2020年1月18日のニュース