埼玉西武ライオンズ・レディース誕生 4.1活動予定 女子野球クラブ初のNPB冠名

[ 2020年1月17日 05:30 ]

ライオンズ・レディースの(左から)新谷博監督、出口彩香選手、六角彩子選手
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 西武は16日、球団が支援・公認する女子硬式野球のクラブチーム「埼玉西武ライオンズ・レディース」の誕生を発表した。4月1日から活動予定で、埼玉県所沢市の球団事務所で会見に臨んだ元西武の新谷博監督(55)は「ライオンズの名前がついて弱いチームではいけない。公式戦は全て勝ちたい」と意気込みを口にした。

 女子野球の競技人口は年々増加している一方、昨年11月には日本女子プロ野球機構に所属する71人のうち36人が退団。大学、社会人で選手の受け皿となるチームが不足しており、全日本女子野球連盟から西武に協力要請があったという。プロ野球のチーム名を冠した女子野球チームは12球団初。西武は同じユニホームや帽子、ボールなどの野球用具のほか、練習場所として室内練習場も提供する。金銭的な支援はなく、選手は自身で働きながらプレーを続ける。

 活動拠点は埼玉県川越市の尚美学園大グラウンドで、同大女子野球部監督でもある新谷監督は「卒業後に野球を続けられずにやめる姿を見てきて悔しかった。何とか環境を整備できればと思っていた」と話した。この日は、ともに侍ジャパン女子代表の経験がある六角彩子内野手(28)、出口彩香内野手(27)の2選手の入団も発表。今月19日、2月9日にセレクションを実施し、計20人で関東女子硬式野球リーグ戦に加盟する。(鈴木 勝巳)

 ≪女子野球人口増加傾向に!!現在2118人≫女子野球の競技人口は近年、増加傾向にあり、特に高校では甲子園強豪校が新たに女子硬式野球部を創部するケースも目立つ。13年8月からはNPBガールズトーナメントも開催され認知度も広まった。全日本女子野球連盟によると18年の全国のチーム数は88、競技人口は2118人。侍ジャパン女子代表もワールドカップ6連覇中と、世界で強さを発揮している。一方で女子プロ野球リーグでは昨年11月、所属71人のうち36人が退団。そのうちの一人で「美しすぎる女子野球選手」として人気の加藤優(24)は、西武のセレクションは受けない意向だという。

 ▼六角彩子内野手(前NPO法人侍、侍ジャパン女子代表)大好きな西武のユニホームを着てプレーすることにとてもワクワクしている。女子野球競技人口は増えているけれど大学、社会人の受け皿が少ない。発展につながると思う。

 ▼出口彩香内野手(前ハナマウイ、侍ジャパン女子代表)女子選手はNPBのユニホームを着る機会がないし、とてもうれしい。女子野球の魅力を発信するようなチームになって、子供たちに夢と希望を与えられるような存在になりたい。

 ▼西武・居郷肇球団社長 野球振興の観点から、女子野球の発展のみならず、野球人口減少の歯止めに貢献できるのでは、と考えた。我々の保有ではなく、アマチュアのチームを支援する形です。

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2020年1月17日のニュース