【20年版・球界“新”士録(1)】DeNA6位・蝦名「ねぶたトレ」で鍛えた打撃、外崎先輩超え目指す

[ 2020年1月15日 08:30 ]

打撃が売りの蝦名(撮影・島崎忠彦)
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 プロ野球12球団のルーキーたちは入寮を終え、合同自主トレに励んでいる。話題の新人選手を紹介する連載「球界新士録」の20年版は、98年以来のリーグ制覇を目指すDeNAからスタート。

 青森県で生まれ、22年間を過ごした。蝦名の故郷への思いは強い。「野球で活躍して、それで地元をPRできたらいいなと思います」と夢を描いた。

 セールスポイントは打撃。バットコントロールに優れ、広角に長打を放つ。強い下半身と腕っぷしもまた、青森が誇る大イベントで磨かれた。県外の私立校の誘いを断り進んだ青森商1年時から青森大4年時まで実に7年間、ねぶた祭で「引き手」を務めていた。

 「扇子持ち」と呼ばれる演出家の合図に合わせ、大きなねぶたを引っ張りながら右に左にと動かす役目を担う。1日約2時間。1メートル85と長身の蝦名は常に中腰で「背が高い人ほどきつい。めちゃくちゃつらかったですが、いいトレーニングでした」と胸を張った。8月に5日間行われる祭典で、高校時代は5日間全て、大学時代も2日間はこの「ねぶたトレーニング」を敢行。土台が築かれた。

 北東北大学リーグでは打点王や本塁打王に加え、かつて秋山(レッズ)、外崎(西武)も獲得した首位打者に輝いた。同郷の外崎は特に憧れる存在。打撃ばかり練習していたが「外崎選手を見て、走れる選手にならないといけないと思った」と走塁面を強化するきっかけとなり、走攻守でそつのない選手へと成長を遂げた。「アップルパンチ」でおなじみの先輩に負けじと、青森県産黒にんにく好きの自身は「ガーリックボンバー」のパフォーマンスを温めている。

 ドラフト6位からの出発も「ここからがスタートなので、順位は関係ない」と蝦名。たどり着いた舞台で、下克上を成し遂げる。(町田 利衣)

 ◆蝦名 達夫(えびな・たつお)1997年(平9)9月20日生まれ、青森県出身の22歳。野内小2年から野球を始め、青森東中では軟式野球部に所属。青森商では甲子園出場なし。青森大では4年秋に北東北大学リーグ首位打者とベストナインに輝き、優勝に導いた。19年ドラフト6位でDeNAに入団。1メートル85、88キロ。右投げ右打ち。

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