新井貴浩氏 “超好青年”遼くん 五輪の舞台で見たい!

[ 2020年1月7日 08:30 ]

昨年11月、プロアマで回った石川遼(左)と新井氏
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 【新井さんが行く】明けましておめでとうございます。スポニチ読者のみなさん、今年もよろしくお願いします。

 五輪イヤーを迎え、いまから夏が待ち遠しいね。日本で五輪を見られるのは一生に一度かもしれないから。野球はもちろん、すべてのアスリートにとって素晴らしい大会になってほしい。これから出場選手が決まる競技も多く、期待している1人が男子ゴルフの石川遼クンだ。

 昨年11月にプロアマゴルフで一緒にラウンドする機会に恵まれた。とても礼儀正しいし、周りへの気づかい、心配りができる。ファンに対しても同じ。言葉だけでなく、本当にファンを大切にしている姿勢を感じた。絵に描いたような好青年。まだ28歳なのに本当にしっかりしているなあ…と感心させられた。

 10代で衝撃的にデビュー。それから常に注目を浴びてきた。不振やけがもあって多くの雑音も届いたと思う。若くして、数え切れないほどの苦労を重ねてきたんだろうね。人は辛くて苦しい思いをした分、他人の痛みが分かるし、周りにも優しくなれる。やっぱり若いうちの苦労は買ってでもした方がいい。

 遼クンは、いま選手会長という大任も務めている。個人としてパフォーマンスを高めながら、ゴルフ界全体のことも考えながら動いている。大変なことだと思う。同じようにプロ野球の選手会長をやったから、少しは分かる。当時は30代前半。すごく苦しい時期だった。もう一度戻りたいか…と言われたら、絶対に戻りたくない。でも、あの経験がいまも自分の中で生きている。いまゴルフ界は女子が人気で、男子は少し押され気味。遼クンの取り組みがきっと花開く時が来ると思う。

 引退後はゴルフをする機会が増えた。チームメートに助けられることもある野球と違って、誰も助けてくれない。自分のミスは自分でカバーするしかない。常に自分と向き合う孤独な競技だ。その積み重ねで遼クンの人間性も磨かれたのだろう。そんな彼の勇姿を東京五輪の舞台でぜひとも見たい。頑張れ!!

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2020年1月7日のニュース