朗希、理想はマー君 ライバル奥川と同じ夢 目標の沢村賞へ「ストレート磨く」

[ 2019年12月10日 05:30 ]

ロッテ新入団発表会で佐々木朗希(中央)がファンとハイタッチしながら会場入り(撮影・西川 祐介)
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 ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が9日、東京都内のロッテ本社で行われた新入団会見に出席した。かつて楽天で活躍したヤンキース・田中将大投手(31)が憧れの存在であることを明かし、日本一に輝いた13年に樹立したシーズン24連勝の伝説を「継承」すると誓った。ヤクルト1位・奥川恭伸投手(18=星稜)に対してはライバル宣言し、同世代としてしのぎを削る。

 それは佐々木朗にとって鮮烈な記憶だった。13年の日本シリーズ第7戦。前日の第6戦で160球完投した楽天・田中は、9回からマウンドに上がり、胴上げ投手になった。その背中は12歳だった少年にとって絶対的なヒーローだった。

 「田中投手のファンでした。投手として完璧なところが、僕にとって理想です。そういう投手になれるように頑張っていきたい」
 11年の東日本大震災では、津波で父・功太さん(享年37)を亡くした。光を失った東北に希望を照らしたのが、田中だった。会見では次々に「田中マニア」ぶりが明かされる。

 試合用グラブは、田中を意識し黄色だった。「プロでも使いたい」と言った。13年にシーズン24連勝を達成したことにも触れ、「負けないのは難しい。それを24回積み重ねたのは凄い。そういうピッチャーになりたい」と目を輝かせた。高校野球史上最高の潜在能力を誇りながら、甲子園に出場できなかった。いつの日にか、「無敗伝説」を受け継げる投手になると誓った。

 ライバルの存在も口にした。ヤクルトにドラフト1位で入団した奥川だ。「一番、この学年でいい投手だと思う。そこに勝てるように頑張りたいです」。自らは右手中指のマメで戦力になれなかったU18W杯で、ライバルはカナダ戦で7回18奪三振の快投。現時点での完成度では負けを認めた上で、いつか上回りたいと誓った。

 「これから日本一の投手になるために日々、練習を頑張って沢村賞を獲れるように頑張っていきたい」。くしくも「田中将大」と「沢村賞」は、奥川が掲げる目標と一致した。

 初めて背番号17のユニホームに袖を通した18歳は晴れ晴れとした表情だった。「(大船渡と同じで)縦じまは着慣れていますが、新しいユニホームを着てプレーすることはうれしい。ストレートだけはどの選手にも負けないよう、磨きたい」。最速163キロ。異次元の直球を持つ18歳ならば、田中が残した伝説さえも超えられる。そんな期待を抱かせる。 (福浦 健太郎)

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