原監督 号泣 父・貢氏の死と「おふくろ」の胸中初告白

[ 2019年12月2日 05:30 ]

父・貢さんの話をして思わず涙を流す巨人・原監督(撮影・尾崎 有希)
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 巨人・原監督の目から涙があふれた。都内のホテルで行われた「東海大相模野球部OB会」の壇上。父であり、同校監督だった貢氏(享年78)の死と、母・勝代さん(86)の胸中を初めて明かしたときだった。

 「私の父はいつも“辰徳、人生は挑戦だ”と言った。一生懸命生きることがとても大事なことなんだなと」

 14年5月4日。ゴルフから帰宅した貢氏は勝代さんに運んでもらったビールを飲んだ後、胸の痛みを訴えた。心筋梗塞と大動脈解離。病院に緊急搬送され、25日後に他界した。「おふくろは集中治療室に一回も来ませんでした。最後の最後まで来なかった」と明かした。

 母は理由を「もうお医者さんに任せるわ。私は一生懸命尽くしたから」と説明したという。この言葉を回想し、原監督の涙腺が崩壊した。「おふくろも勝負師だったということ。必ず帰ってくる、と思って待っていたのよ」。父が元気な姿で戻るのを信じ、家を守った母なりの「挑戦」だったのだろう。

 4年ぶりに復帰した今季、5年ぶりのV奪回を果たした。横浜スタジアムでの胴上げ前にも号泣。「うれし涙は勝負師にあっていいね。しかし、悔し涙は勝負師にはいらない」と言い、来春のセンバツ出場を確実にしている同校の門馬敬治監督と選手を激励した。

 日本シリーズではソフトバンクに4連敗を喫し、来季はリーグ連覇と8年ぶりの日本一を目指す。父の「いくつになっても挑戦」という言葉を母校のOB会で改めて胸に刻んだ。 (神田 佑)

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