阪神・近本、新人特別賞 盗塁王と2冠公約“達成”「2年連続の盗塁王を」

[ 2019年11月27日 05:30 ]

セ・リーグ新人特別賞を受賞し、スピーチする阪神・近本(撮影・木村 揚輔)
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 阪神・近本光司外野手(25)が26日、都内で開催された「NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD」の表彰式に出席し、新人特別賞を受賞した。ヤクルト・村上宗隆内野手(19)との一騎打ちとなった新人王は僅差で逃したが、盗塁王とあわせ開幕前の「公約」を達成。来季は勝利に貢献することを最優先し、フルイニング出場&連続盗塁王を誓った。

 表情には充実感が漂っていた。近本が新人特別賞を受賞。球団では13年の藤浪以来となる勲章に、喜びを隠そうとはしなかった。

 「新人特別賞を受賞することができて光栄に思っています。入団当初に盗塁王と新人王という目標を掲げて、本当にメディアの方に大きく取り上げていただいた。自分のできることは盗塁王をしっかり取ること。そうすれば僕は新人王になれると思っていた」

 開幕前の公約を達成した。1年目から中堅の定位置をつかみ、142試合出場で打率・271、9本塁打42打点。シーズン159安打は放ち、セ・リーグ新人最多安打を更新した。36盗塁をマークし、盗塁王のタイトルも獲得。僅差で新人王を逃したとはいえ、ヤクルト村上に勝るとも劣らない活躍を見せた。

 「冷静に考えたら僕よりも村上君の方がはるかにすごい。ホームランが見る人を魅了させるというか、1番面白いなと単純に思うし、やっぱり野球の1番の醍醐味(だいごみ)。そういった意味で僕も村上くんが新人王を取るなと思っていた」

 ライバルへの敬意を忘れなかったが、気持ちはすでに来季へ向いている。今季は142試合に出場したが、目指すべきはフルイニング出場。向上心をかき立てられた裏には、今季限りで退団する鳥谷の存在があった。

 「143試合出ることよりも、143試合フルイニング出場というそんなすごいことができるんだなと。そういうことをずっと鳥谷さんはしてきたんだなと感じた。本当にすごいプレーをされてきたなと思います」

 かつて667試合連続フルイニング出場を果たした鳥谷は、グラウンドに立ち続けることでチームに貢献した。その一端を垣間見られた以上、自身のキャリアに生かさぬ手はない。結果を出すことこそが、最優先事項に掲げるチームの勝利に直結するからだ。

 「2年連続の盗塁王だったり、しっかりチームのリーグ優勝、日本一に引っ張っていけるような仕事をしたい。盗塁王にこだわるのではなくて、盗塁をすることでチームを勝利に近づけたい」

 言葉の端々から、主力としての自覚が漂う。勝利のためだけに、近本は走り続ける。(阪井 日向)

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