レジェンドから宝刀伝授!岩貞 新球の正体は“昌スクリュー”完全習得へ連続80球超

[ 2019年11月4日 05:30 ]

<阪神秋季キャンプ>山本昌臨時コーチ(左)の指導を受ける岩貞(右は矢野監督)(撮影・大森 寛明)
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 阪神の岩貞祐太投手(28)が秋季キャンプ第1クール最終日の3日、臨時コーチを務める元中日の山本昌氏(54)から宝刀のスクリューを伝授された。同氏も現役時代に駆使してゴロの山を築いた「新球」の完全習得を宣言。逆襲をかける来季6年目へ心強い“相棒”になりそうだ。

 今後のキャリアにも大きく影響しそうな新球との“出会い”だった。ブルペンに入った岩貞が、歩み寄ってきた山本昌臨時投手コーチから伝授されたのは、野球人生通じて投じたことのないという、スクリューだった。

 「スピードの速いチェンジアップを練習していたけど(山本昌コーチが)“スクリューはこう投げてたよ”と。このキャンプでマスターして配球の武器にしたい」。今季はこれまで勝負球で機能していたチェンジアップが「空振りが取れず、ボールになったり」と精度を欠いたため、球速を上げたタイプを試していたところに、声をかけられた。

 握りやリリース時の感覚などを事細かにレクチャーされると、40球を越えたところからラストの126球目まではすべてスクリューを投じた。「こういうボールの切り方もあるんだと。リリースの感覚は初めて」と発見があったとともに「低めに制球できていける(習得の)感覚はあった」と手応えも深めた。

 スクリューは、言わずとしれた現役時代に山本昌コーチがウイニングショットとしていた“宝刀”。50歳まで現役を続けた大投手が駆使してきた理由も、6年目左腕は十分に理解している。

 「計算してアウトを取れるようなボール。(球界でも)投げるピッチャーが少ない。1年間安定して成績を残すためには球数を減らしたい。計算して取るアウトはそこ(球数減)に直結してくる」

 球速の面でも、直球と従来のチェンジアップの中間に位置する球種を探していただけに最高のタイミングでの“マサボール”習得だ。ブルペンで見守った山本昌コーチも「そういうの(新球種)がどんどん増えていけばいい」とうなずき、矢野監督も「ゴロ打たせられるってすごい武器なんよ。ゴロはランニングホームラン以外長打はない」と歓迎した。

 「まだまだこれから磨いていきたい。いつでも投げられるぐらいに。首を振ってそれを投げられるぐらいに、必死に習得していく」。今季2勝(4敗)に終わった背番号17が逆襲をかける来季へ、これ以上ない秘密兵器を手にする。(遠藤 礼)

 <「効率」に差>岩貞は28歳シーズンの今季、40回1/3の登板で654球を投げており、1イニングあたりに換算すると16・22球。一方山本昌は同じ28歳シーズンの93年に118回1/3、2782球で1イニングあたり14・77球。同年17勝で初の最多勝と防御率タイトルを獲得している。翌94年にはキャリア最多の214回、3253球をこなしたが、1イニングあたりでは15・20球と岩貞より少なく、この年も自己最多19勝で2年連続の最多勝に輝いている。なお43歳で最後の2桁11勝を挙げた08年も、133回2/3を1985球で1イニングあたり14・85球と全盛期なみに効率がよかった。

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2019年11月4日のニュース