佛教大・中山怜が2安打完封 春全国準優勝「あとは全国優勝しかない」 関西大学選手権開幕

[ 2019年10月26日 13:12 ]

関西地区大学選手権第1日1回戦   佛教大1―0大阪市大 ( 2019年10月26日    南港中央 )

<神宮大会関西地区代表決定戦 佛教大×大市大>2安打完封勝利を挙げた佛教大・中山伶(撮影・北條 貴史)
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 明治神宮大会出場権を5連盟優勝校で争う関西地区大学野球選手権大会は26日、大阪市の南港中央野球場で開幕し、春の全日本大学野球選手権で準優勝した佛教大(京滋)が1―0で大阪市大(近畿)を破った。

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 佛教大のエース、中山怜央(4年=奈良大付)は最後の打者から10個目の三振を奪うと、ようやく表情を和らげた。大阪市大を2安打、無四球で完封。1、2回に二塁打と内野安打で走者を背負ったが、3回以降は1人の走者も許さず、ほぼ完璧な内容だった。
 「相手打線はガンガン振ってくると、事前に情報を聞いていました。ボール球や変化球をうまく振らせることができました。偵察のおかげです」

 たとえば、秋季リーグで最優秀選手(MVP)に輝いた大阪市大の4番、大橋祥吾(2年=奈良)は3打席連続の空振り三振にきっ。3打席でストライク9球のうち、空振り8個に、ファウル1本と完全に封じ込んだ。

 2けた三振を奪いながら、投球数はわずか84球で、いかにムダ球が少なかったかが分かる。「三振は狙っていたわけではありません。打たせるところは、早いカウントで打たせていきました」
 今秋のリーグ戦では5勝1敗、防御率0・69。それでも「リーグ戦では打線に助けてもらっていました。今日はゼロで抑えることができて、良かった」。最少得点差を守り切る緊張感もあったろうが、全く危なげない内容だった。

 佛教大は6月の全日本大学野球選手権で快進撃を続け、初の準優勝に輝いた。田原完行監督(59)は「準優勝した後が大変だった。難しかった」と振り返る。「モチベーションをいかに保つか……というコーチング、マネジメントの問題があった。人間ですから誰でも調子に乗ったり、勘違いもする。さて、どうするか……」

 田原監督はコーチ陣らスタッフと話し合い、「しばらく何も言わず、観察することにした」。口出ししたいところを黙って見続けた。「根気がいった」という。

 その間、学生コーチや主務(マネジャー)、主将や4年生たちが自ら話し合い、ムードを引き締め直したそうだ。田原監督は「学生野球は1年1年が勝負。1年計画で動いている。最後を飾るこの秋をいい形で締めくくろう、となった」と話す。

 背番号18を背負う中山怜には全国準優勝の慢心などない。「全国の強豪と戦って、1球の怖さ、重要性を知った。もう一度神宮に出たい。もちろん、目標はもう優勝しかありません。技術以上に、一丸と言いますか、全員が同じ方向を向いてやる姿勢が大切になると思います」

 卒業後の進路も社会人で内定している。全国優勝に向けて、完全燃焼を誓った。(内田 雅也)

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2019年10月26日のニュース