ソフトBが連勝 5番抜てきの中村晃が先制打&CS1号 3年連続日本シリーズへあと2勝

[ 2019年10月11日 05:30 ]

パ・リーグCSファイナルステージ第2戦   ソフトバンク8―6西武 ( 2019年10月10日    メットライフD )

<西・ソ>3回無死二塁、今井から2ランを放つ中村晃(撮影・小海途 良幹)
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 ソフトバンクは10日、8―6で西武の反撃を振り切って連勝。西武には1勝のアドバンテージがあり、通算2勝1敗とした。ファーストステージで無安打だった中村晃外野手(29)が初回に右前へ先制打、3回に右越え2ランを放つなど、2戦連続の8得点を呼んだ。3年連続の日本シリーズ進出まであと2勝だ。

 この舞台に立てていることが、うれしい。埼玉出身の中村晃は、敵地のヒーローインタビューで「思い切っていこうと思った。西武打線は何点あっても油断できない。全員で勝てたと思う」と胸をなで下ろした。

 楽天とのファーストSでは3試合で8打数無安打。前日の第1戦は出番はなかった。この日は早出特打も敢行した。そんな中、工藤監督は「5番・右翼」でスタメン起用した。決め手は、8月30日の西武戦で、今井から右越え本塁打を放った相性の良さだった。

 初回2死一、三塁ではスライダーを右前に運ぶ先制打。3回には内角高めの145キロ直球を技ありの一打で右翼席に運んだ。「初球からミスショットせずにしっかり仕留められた。調子は悪いとは思っていなかった。結果的に良かった」と納得の表情だった。埼玉で過ごした少年時代。「バットに当てるのは得意だった」と、ミート力には自信があった。プロ12年で、その技術には磨きがかかった。

 今季は開幕前に自律神経失調症を患い、1軍昇格は5月31日にずれ込んだ。6月には腰を痛め約2カ月間、離脱した。リハビリのためファーム施設のある筑後市に通う日々。「1軍で野球ができることは、当たり前じゃないんだなと。ケガをして野球ができない人の気持ちが、本当に分かった」と振り返る。

 前夜は5番で起用した松田宣が2安打4打点。そして、この日は中村晃。連日、起用が当たった工藤監督は「(中村晃は)素晴らしいの一言。絶対にチャンスで回ってくると思って5番にしました」と目を細めた。

 チームは先発全員安打となる13安打で、2試合連続2桁安打をマーク。3年連続の日本シリーズ進出へ、あと2勝に迫った。工藤監督は「とにかく明日の試合だけに集中してやっていきたい」と前を向いた。 (川島 毅洋)

 《「3・9%」の初球ボール打ち》中村晃が3回に今井の初球を捉えた2ランは、内角高めのボール球だった。選球眼がいい中村晃は待球型の打者で、今季は初球がボールゾーンに来た打席が77あり、このうちスイングしたのはわずか3回で、スイング率は3・9%。これはソフトバンクの打者では最も低く、パ・リーグ全体(150打席以上)でも4番目に低かった(1位は日本ハム・近藤の1・2%)。しかし、今井には8月30日の対戦で本塁打、この日の第1打席でも適時打しており、相性の良さが傾向とは違う積極性を生んだ。

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