メジャー70勝右腕バウアー来日 岩手訪問 G岩隈とのコラボも

[ 2019年10月9日 05:31 ]

レッズ トレバー・バウアー投手インタビュー(下)

自身が“ショルダーチューブ”を使用するシルエット入りTシャツを着用したバウアー。今回の来日の目的について熱く語った(撮影・奥田 秀樹通信員)
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 今季まで5年連続2桁勝利を挙げるなど通算70勝を誇るレッズのトレバー・バウアー投手(28)が9日、来日する。17日まで滞在し、西武―ソフトバンクのCSファイナルSを観戦予定。その他にも自身が立ち上げたメディア会社の撮影クルーを伴い、巨人・岩隈が監修したトレーニング施設「IWAアカデミー」で少年野球の指導を見学し、親交のあるマリナーズ・菊池の地元・岩手の野球環境も現地視察するという。現役トップメジャーリーガーの異例の取り組みについて、聞いた。(聞き手・奥田 秀樹通信員)

 ――野球を世界的な人気スポーツにしたいという志がある。

 「NBAではレブロン・ジェームズ(レーカーズ)が中国や欧州に行って、イベントをして、現地のファンと交流を深めている。NBAやサッカーに比べると、野球は国際的な人気という点でまだまだ劣る。私は野球が世界的な人気スポーツになっていく手助けをしていきたい。このオフ、モメンタム・フィルムズは、日本、豪州、ドイツ、コロンビア、キュラソー、メキシコの6カ所で、それぞれの国の野球文化をテーマに映像を撮って回る。豪州では豪州出身の投手ヘンドリックス(アスレチックス)、ドイツではドイツ出身の外野手ケプラー(ツインズ)が案内してくれる。私が直接、訪れるのは日本だけだが、日本では雄星の故郷・岩手や、母校・花巻東を訪ね、彼が野球選手としてどう育ったかを見てみたいと考えている」。

 ――巨人の岩隈が監修したトレーニング施設「IWAアカデミー」を訪ね、木村匡宏チーフトレーナーが子どもたちに野球を指導する様子も見学する予定。

 「岩隈選手とは代理人事務所が同じ“ワッサーマン・メディア・グループ”で、スタッフから彼が東京に素晴らしいトレーニング施設を持っていると聞いていた。私は打者を幻惑するマリナーズ時代の彼のピッチングにも感銘を受けていた。私は日本で子供に野球をどう教えているのかとても興味がある。私自身も米国で同じことに興味があるので、日本の教え方を学んで、将来的にコラボレーションのようなこともできればと思っている」。

 ――シアトル郊外のトレーニング施設「ドライブラインベースボール」の創設者カイル・ブーディ氏と12年から科学やデータを活かしたトレーニングを一緒に開発し、“トラックマン”などの重要性をメジャーリーグに広めてきた。同氏は先日、レッズのピッチングコーディネーターに就任した。

 「私は速く走れないし、高く飛べない。運動能力を測る典型的な要素から見てアスリートではなかった。科学の力によってメジャーリーガーになれたと思っている。カイルがレッズに雇われたのは素晴らしいニュース。選手育成に科学的データを使っていく。球団のフロントがその方向に行ってくれたのは嬉しいし、大きな成果を上げられると信じている」。

 ◆トレバー・バウアー 1991年1月17日生まれ、カリフォルニア州ノースハリウッド出身の28歳。カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)からドラフト1巡目指名(全体3番目)でダイヤモンドバックス入りした。12年7月にメジャーデビューし、翌13年からインディアンスに所属し、18年にオールスター戦に初出場。今季途中にレッズに移籍し11勝(13敗)を挙げ、5年連続2桁勝利を達成。メジャー通算70勝60敗、防御率4・04。1メートル85、92キロ。右投げ右打ち。

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