新井貴浩氏 可愛がってもらった佐々岡さん 体も心も大きな人

[ 2019年10月8日 09:05 ]

就任会見で抱負を述べる広島・佐々岡新監督 (撮影・奥 調)
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 【新井さんが行く!】佐々岡さんには若い頃、よく食事に連れて行ってもらい、飲みにも誘ってもらった。こんなに食べて、こんな飲むのかと驚かされたことが懐かしい。プロの世界で長くやるには、しっかり食べて体を大きくしないといけないのだな…と佐々岡さんの大きな体から学んだ。いまは少し痩せ気味に見えるので(笑い)、監督になってからは体調管理に気をつけてください。

 投手出身の人は「お山の大将」と言われることが多いけど、そんな人ばかりじゃない。佐々岡さんもそうだ。本当に優しくて、柔らかい人柄。投手と野手の枠を超えて可愛がってくれた。

 マウンドに立てば勝負師の顔になる。引退登板で修一(村田、当時横浜)に真剣勝負を挑んで本塁打を打たれたことは有名な話。でも、続きがある。翌日は神宮球場でのヤクルト戦で古田さんの引退試合だった。アマチュア時代にバッテリーを組んだこともある間柄。「わしが投げんといかんじゃろ」と志願して遠征に加わって、古田さんの打席でマウンドへ上がった。引退登板の翌日にも投げたのは、佐々岡さんくらいでは。そんなところにも人柄を感じる。

 広島へ復帰した15年。偶然にも佐々岡さんもコーチとして戻ってきた。黒田さんと一緒に自宅に招かれ、優子夫人の手料理を振る舞ってもらった。優子さんも名前の通り本当に優しい方。控えめで縁の下から佐々岡さんを支えていて、応援したくなるカップルだ。

 今季の広島は目標だったリーグ4連覇がかなわず、CS進出も逃した。特に3連覇に貢献してきた救援陣は蓄積疲労もあって、うまく回らなかった。投打とも再び過渡期を迎え、また新しいチームをつくっていかないといけない。大変な時期の監督就任。OBの一人、カープファンの一人として佐々岡さんをしっかり応援していきたい。(スポニチ本紙評論家) 

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2019年10月8日のニュース