阪神 サヨナラ負け 勝利以外は敗退も矢野監督「ビビッてやるものじゃない やりきってくれたらいい」

[ 2019年10月7日 05:30 ]

セCSファーストS第2戦   阪神4―6DeNA ( 2019年10月6日    横浜 )

9回2死、右越えソロを放った福留を出迎える矢野監督(撮影・島崎忠彦)
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 セ・パ両リーグともに6日、クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ(S、3試合制)第2戦が行われた。2連勝で一気にファイナル進出を目指した阪神だったが、サヨナラ負け。9回2死走者無しから福留孝介外野手(42)の同点ソロで一度は追いつき再び奇跡を起こしかけたが、その裏、サヨナラ2ランを浴びた。1勝1敗。きょう7日の第3戦で3位の阪神は勝利以外は敗退となるが、矢野燿大監督(50)は「勝つか負けるか、あした決着がつく」と泰然自若だった。

 打たれた瞬間に岩崎は“しまった”と両ひざを折った。9回1死一塁。1ボールからの139キロ直球を乙坂に振り抜かれた飛球が右翼フェンスをわずかに超えた。サヨナラ2ラン…。一気に2連勝での突破を目指したが、逆に1勝1敗のタイに戻されてしまった。しかし、矢野監督は決して動じることなく堂々と胸を張った。
 「すごい、いいゲームやったんじゃないの。お互いすごいいいゲームができた。決め手が最後向こうにあったというだけのことで、みんな精いっぱいのことやってくれた」

 当然、勝ちたかった。もちろん悔しい。しかし、この日もまた選手たちの奮闘に心が熱くなっていた。ロペスに2ランを打たれて初戦に続き連日の初回失点スタート。3回にも筒香にソロを食らった。0―3。それでも5回に北條と福留の適時打で2点を還し、6回に上本の左前打で追いついた。

 3―4の9回は2死走者無しまで追い込まれたが、福留がまさか、まさかの同点弾。ベンチは大騒ぎした。ベース一周した福留を矢野監督も笑顔で、ハイタッチで、出迎えた。諦めなかった。一丸で最後まで食らいついた。6点差を大逆転した初戦に続いて、再び奇跡を起こしかけたチームを頼もしく思えた。

 「ここまで、みんな素晴らしい戦いを見せてくれている。思い切ってぶつかっていくだけのこと。今日負けたから、どうのこうのと言うのは別にないよ」

 総力を出し切った結果だからこそ、敗戦を受け入れることが出来る。泰然自若でもいられる。きょう7日の運命の第3戦は、3位の阪神は引き分けも許されない。勝つしかない。今まで以上に重圧がかかってくるが、同じ苦難を何度も乗り越えてきた自負がある。

 「もうずっとそう(チーム一丸でと)思ってやってるけどね。そんな明日、最後どっちかが勝つかというところでね。6連勝のときからずっとそういう戦いをしてるから、明日になったからって、俺らは何も変わらない」

 負ければ終戦の状況に追い込まれた9月21日の広島戦から6連勝で逆転CSにつなげた。「勝負やねんから思い切ってやるしかないやん。ビビッてやるものじゃないしさ。明日もやりきってくれたらいい」。阪神は、崖っ縁に立たされてからが、強い。(山本 浩之)

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2019年10月7日のニュース