広島・佐々岡監督誕生へ 投手出身は球団53年ぶり「前向きに考えたいと伝えた」 

[ 2019年10月5日 05:30 ]

記者に囲まれ車に乗り込む佐々岡投手コーチ (撮影・平嶋 理子)
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 広島の来季新監督に、1軍投手コーチの佐々岡真司氏(52)の就任が4日、確実になった。広島市の球団事務所を訪れた同氏は、就任要請されたことを明かし「前向きに考えたいと伝えた。(決断に)そう時間はかからないと思う」と語った。

 リーグ3連覇を逃し、4年ぶりのBクラス4位に沈んだ広島は過渡期にあるチームの再建を、かつてのエースに託すことになった。

 「前向きに考えたいと伝えた。家族やいろいろな人に相談したい。(決断に)そう時間はかからないと思う」

 白い歯を時折のぞかせながらのやり取り。就任に支障はなく、要請を受諾するのは確実だ。広島で投手出身者が指揮を執るのは、長谷川良平監督(1965~67年)以来53年ぶり3人目。週明け7日にも正式発表される。

 球団は緒方監督の退任を受け、従来方針通りOBを軸に後任の人選に着手。鈴木清明球団本部長は「誰がこれからをつなげていけるのか…と考えた時に佐々岡という人選になった。人柄は言うことないし、能力もある」と要請理由を説明した。

 佐々岡氏は広島ひと筋で18年間プレーし、通算570試合で138勝153敗、106セーブをマーク。本紙評論家などを経て15年に2軍投手コーチとして現場復帰し、アドゥワや山口、遠藤ら若手を育成する一方、今村や中田、中村恭らの再生にも尽力した。

 今季は将来への布石として1軍投手コーチに就任。チーム防御率を昨季の4・12からリーグ2位の3・68に改善させた。ただ、3連覇を支えた攻撃力に陰りが見える中、中崎や一岡ら主力の勤続疲労も表面化し、投手陣の底上げは欠かせない。

 松田元オーナーは、「手腕や人柄を買っている。教え方がロジカルだし、育て方も的確で選手が出てきた」と説明。実績がありながら伸び悩む若手2投手の名前を挙げ「岡田と薮田が復活すれば安定した戦いができる」と再生に期待した。

 球団にとって生え抜きの佐々岡氏の昇格は言わば既定路線。正式発表を経て、9日の秋季練習からチームの指揮を執ることになる。(江尾 卓也)
 

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2019年10月5日のニュース