阪神 近本 ミスターに並んだ!猛打賞で決めた!セ記録新人最多153安打

[ 2019年9月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―2ヤクルト ( 2019年9月18日    甲子園 )

8回2死、近本は一塁内野安打を放ち、長嶋茂雄氏のセリーグ新人最多安打記録に並ぶ(撮影・大森 寛明)
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 阪神の近本光司外野手(24)が18日のヤクルト戦の8回、この日3安打目となる一塁内野安打を放って、今季153本目に到達。1958年長嶋茂雄(巨人)のセ・リーグ新人記録に並んだ。7回には今季34度目の盗塁で並んでいた山田哲(ヤクルト)を抜いてリーグ単独トップに立った。試合は3―2で逆転勝利。CS進出に望みをつないだ。

 ベースカバーに入るヤクルト・坂本とは段違いのスピードで一塁ベースを駆け抜けた。セ・リーグ新人最多となる今季153安打目は、近本らしく!?33度目の内野安打。1958年の長嶋茂雄(巨人)の記録にあっさり並んだ。

 「歓声もすごくてファンの方が見てくれているんだなと感じました。記録では思ってもいなかったことが起こっている。想像はしていなかったです。自分がしたことに実感が湧いてないですね」

 8回2死無走者。フルカウントからの6球目を引っ張った。一塁手・村上へのゴロとなったが坂本へのトスが間に合わない。新人王を争うライバルに武器を見せつけた格好だ。

 初回にブキャナンのカットボールを左前打。1―2の7回先頭では7打数1安打と苦手にしていた左腕・ハフの高め直球を詰まりながらも中前に運んだ。得点に絡んだことを喜ぶのが近本という男。記録を意識するのは二の次だ。

 「1日1本を打とうと思っているので、とりあえず1本出そうという気持ちでやっています。走るタイミングもうかがっていたので、還ってこれたのが一番大きいと思う」

 7回は1死となり、マルテの打席の初球で二盗を決めた。単独トップに立つ34個目。今度は盗塁のタイトルを争う山田哲のタッチをかわしての猛烈スライディングだ。高山の中前打で同点の生還。逆転の起点を、間違いなくつくった。

 支えてくれる家族の存在は大きかった。自宅ではアスリートフードマイスターの資格を持つ未夢夫人の手料理が食卓に並ぶ。帰宅が遅くても食事はしっかり摂り、白米の量は測って食べるなど、体重管理も徹底している。遠征先でも連絡を取り合い一日あったことを振り返るなど、パワーの源になっていた。

 地元・甲子園のファンの前での達成にほおがゆるむ。お立ち台に上がった後にグラウンドを一周しても絶景が広がっていた。「タオルだったり、ユニホームだったりプラカードもたくさん掲げてくれていた。これだけ応援してくれているのもありがたいと思う」

 残り7試合。目標に掲げていた「新人王」と「盗塁王」ははっきりと視界にとらえた。そして、きょうにもミスターを超える。その時に見える景色は、近本にしか許されない。(長谷川 凡記)

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