広島・堂林、今永撃ちでCSメンバー入りアピールへ「今この一瞬が大事」

[ 2019年9月18日 05:30 ]

広島・堂林(9月16日撮影・坂田 高浩)
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 セ・リーグ3位の広島は18日、逆転2位を懸けてDeNAと敵地で最終の直接対決に臨む。敵が広島つぶしに今季5勝0敗の今永を中7日で立てる中、先発出場が濃厚な堂林翔太内野手(28)は勝利への貢献を誓った。1・5ゲーム差を追う苦境で、絶対に落とせない一戦。クライマックスシリーズ(CS)に向け、堂林自身にも重要な戦いだ。

 9月6日に今季3度目の昇格を果たして以降の打撃が目を見張らせる。途中出場した12日の中日戦で同点の9回に藤嶋から左越えサヨナラ打を放つと、15日のヤクルト戦でも9回に代打でマクガフから中前適時打だ。打席での落ち着き払った姿が印象的だった。

 「今は打ちにいくことしか考えていない。どうせダメなら…という気持ち。(打席の中で)開き直るというか割り切れています」

 プリンスと呼ばれた堂林も既に10年目。開幕1軍入りを果たした今季も抹消と登録を繰り返し、故障もあって4カ月間に及ぶ2軍暮らしを強いられた。試練。遅れを取り戻そうと、意識して人よりもバットを振った。それは、もがき続けて開いた悟りだった。

 7番・三塁で先発した16日のヤクルト戦でも、左腕・高橋の内角高め直球を左中間三塁打。東出打撃コーチは「堂林は自力でスタメンを勝ち取った」と評価し、今永が予告先発として発表された18日のDeNA戦でも「可能性はある」と明言した。堂林は意気込む。

 「好投手なので1球で仕留めないと。積極性や集中力が大事。他にセーフティバントとか、何か揺さぶる策も練っていきたい」

 相手左腕は中7日。最低でも2位死守へ、ラミレス監督が眼下の敵を叩きに来たのは明らかだが、1・5差の3位から逆転2位を狙う広島にも絶対に落とせない一戦だ。リーグ4連覇への光も、負けるか、巨人が勝つか…で完全消滅する。

 「先のことは考えていない。考えても(CSに出る出ないは)ボクが決められることじゃないので。今この一瞬が大事です」

 首脳陣は、CSで戦力たり得るか…を見極めており、堂林自身にとっても重要な試合。今永を打てばこれ以上ないアピールになる。それでも当の本人は無欲無心で、1打席に全神経を集中させる構えだ。苦境を乗り越えた28歳。さぁ、そのバットで難敵を撃て―。 (江尾 卓也)

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2019年9月18日のニュース