おかわり 爆走サヨナラ!西武 ソフトBと0差並走

[ 2019年9月15日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4―3ロッテ ( 2019年9月14日    メットライフD )

10回1死一塁、メヒアのサヨナラ打で生還する一走・中村(後方は秋山)(撮影・吉田 剛)
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 西武は14日、ロッテに4―3で延長サヨナラ勝ちした。10回1死一塁、エルネスト・メヒア内野手(33)の中前に落ちる当たりで中村剛也内野手(36)が一塁から激走し、決勝のホームを踏んだ。首位・ソフトバンクをゲーム差なしで追走。きょう15日の結果次第では、優勝マジック9が点灯する。

  本塁打だけではない。中村が、貪欲に次の塁を「おかわり」した。3―3の延長10回1死一塁でメヒアの打球は、ふわりと中前へ。長打を警戒して定位置より後方に守っていた中堅・岡が猛然と前進してきたが、一、二塁間まで出ていた背番号60は打球が落ちる前にスタートした。

 「中村さんが良いランニングをしてくれた」とメヒア。岡が体を投げ出すも及ばず、打球が後方に抜けると、中村は本塁まで全力で駆け抜け、歓喜の輪に加わった。リーグ最多タイとなる今季7度目のサヨナラ勝ちで、ソフトバンクとの0ゲーム差を死守。辻監督は「サンペイ(中村の愛称)の走塁、見た?ああいうところが、サンペイの凄いところ。そういうのが、向こうの焦りにもなる」と興奮気味に話した。

 6度の本塁打王と通算414本塁打、打点王3度など、1メートル75、102キロの巨体を生かしたパワフルな打撃が代名詞だが、走塁への意識も高い。本人も「ホームランを打って、客席に入るのは気持ちいいけど、走塁の方が好き。走るのは嫌いだけど、考えながらやるのが好き」と力を込める。1軍デビューした03年以降、通算26盗塁ながら0盗塁に終わったシーズンは4回しかない。

 三塁コーチを務める黒田内野守備走塁コーチも走塁センスを絶賛する。「サンペイの良いところは、打球判断の良さ。足が速い遅いではなく、走塁に関しては素晴らしい」。10回の場面でも、同コーチが指示したのは三塁を蹴る判断のみ。中村自身の好判断が奏功し、勝利をもぎ取った。

 きょう15日にロッテに勝ち、ソフトバンクが日本ハムに敗れればマジック9が点灯。逆転優勝へ、中村がバットでも足でも引っ張る。 (武本 万里絵)

 ≪メヒア決めた 3年ぶり劇打≫メヒアが自身3年ぶりのサヨナラ打を放った。14年の本塁打王はここ数年、手首のケガにも悩まされ、今季は主に代打での出場。この日も8回の代打から登場し、2打席目で出た8月27日以来の快音が殊勲の一打となった。自ら早出練習に取り組むなどの努力が実り「自分のヒットでチームを助けられたのはとても良かった」と喜んだ。

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