イチロー氏スピーチ日本語訳全文 マリナーズ特別功労賞授与式で英語スピーチ

[ 2019年9月15日 15:46 ]

マリナーズが開催した特別功労賞授与式で、選手らに祝福されるイチロー氏(前列左から2人目)
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 マリナーズは14日、シアトルの本拠地Tモバイル・パークでのホワイトソックス戦前に、日米通算4367安打をマークしたイチロー氏(45=本名・鈴木一朗)の現役時代の功績をたたえ、特別功労賞授与式を開催した。

 イチロー氏は英語でスピーチ。「僕はとても緊張しています。よし、行きましょう。ディー(ゴードン)、雄星、今夜は泣くなよ。」と話し、「僕は27歳で小柄で細くて、無名でした。僕を受け入れられない多くの理由があったにもかかわらず、皆さんは両手を広げて僕を歓迎してくれ、それは止まることがありませんでした」などと感謝した。

 【イチローのスピーチ全文(日本語訳)】

 (紹介を受けて)ありがとう。僕はとても緊張しています。よし、行きましょう。ディー(ゴードン)、雄星、今夜は泣くなよ。

 これは幸せな機会です。東京で引退した夜、僕の気持ちは完全に満たされてはいませんでした。それはシアトルの素晴らしいファンたちがそこにはいなかったからです。今夜は、僕は何年も温かく支えてくださったファンの皆さんへ感謝の気持ちを伝えたいと思います。

 2001年にシアトルへ来たときには、それまで日本から来た野手はいませんでした。僕は27歳で小柄で細くて、無名でした。僕を受け入れられない多くの理由があったにもかかわらず、皆さんは両手を広げて僕を歓迎してくれ、それは止まることがありませんでした。僕が一度去って、戻ってきたときも。

 2018年に戻る機会をいただいたときはとても嬉しかった。なぜなら、ファンの皆さんがいたからです。ありがとう、シアトル。

 また、サポートしてくれたニューヨーク、マイアミ、そしてアメリカ中のファンたちにも感謝します。野球はアメリカの国民的娯楽です。僕は野球を愛し、尊敬する皆さんの前でプレーできてとても幸せでした。

 偉大な競争相手たちと一緒に野球がプレーできて、とても光栄でした。彼らは僕の野球をより高いレベルに引き上げてくれました。

 今は若く才能があり、将来チームを優勝へ導いてくれる選手たちと過ごしていることを楽しんでいます。言語や文化の違いと、20年もの年齢差があることはいうまでもなく、彼らと一緒にいることを楽しんでいます。なぜなら彼らの野球への情熱は本物だと感じられるからです。

 僕の経歴を振り返って、もし僕に誇れることがあるとすれば、2001年の初日から2019年の最後の日まで、日々の挑戦を乗り越え、毎日同じ情熱を持ち続けてきたことです。

 こうしてシーズンの最後の時期に入り、すべての選手に覚えていて欲しいことは、プロフェッショナルとは何かということです。この最後の日々は(シーズンの)初頭とそれまでと同じくらい重要です。毎日、同じ情熱を持って自分のやるべきことが必要です。これはあなた方が自分のパフォーマンスと、この特別な試合を楽しみにしているファンの皆さんへ与えることができる素晴らしい贈り物になるはずです。

 シアトル・マリナーズの皆さん、僕は自分が愛する街で愛する野球をプレーできる機会を与えてくださったことに永遠に感謝いたします。そして絶えることのないサポートをしてくれた僕の家族にも感謝します。

さあ、プレーボール!

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2019年9月15日のニュース