ソフトB再奪首で「M12」!千賀、勝った方がM灯の大一番で貫録13勝「最後まで自分の役割を」

[ 2019年9月13日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3-2西武 ( 2019年9月12日    メットライフD )

7回2死二、三塁、外崎のスイングをアピールする千賀(撮影・西海健太郎)
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 ソフトバンクは12日、西武との首位攻防2連戦の2戦目を3―2で制して、2年ぶりのリーグ優勝へマジック12が点灯した。両球団にマジック初点灯の可能性があった天王山で、千賀滉大投手(26)が8回4安打1失点で13勝目。前回6日のロッテ戦でノーヒットノーランを達成した右腕が再び快投でチームを首位に押し上げた。

 千賀は狙って三振を取りにいった。0―0の7回1死二、三塁。栗山、外崎を代名詞のお化けフォークで連続空振り三振に斬るとグラブを叩いた。栗山はバットを拳1つ分も短く持ったが当たらなかった。それだけの落差があった。

 「ピンチの後にチャンスありだと思った。あそこは外野フライも駄目だったし、先に点をやるわけにはいかなかった」。このエースの気迫が8回グラシアルの先制弾を呼んだ。

 5回1死まで完全投球。8回を4安打1失点でまとめ、自己最多の13勝目だ。工藤監督は千賀の変化を感じていた。「凄かったですね。(脱力した方が)速く感じる。何かつかんだのかな」。敵将の辻監督も「丁寧に力まずに投げていた」と同様の感想を漏らした。余計な力が省かれ、直球の最速も158キロ。終盤になっても衰えない球威で、フォークの威力も倍加した。

 反省を生かし、心を平静に保った。前回8月30日のメットライフドームでの登板は2本塁打を浴びるなど7回4失点で敗戦。「集中力の波があった。集中力が散漫になってやられるのは悔しい」と反省した。前回対戦時にはチーム宿舎を出発する際、早めにバスに乗り込み気持ちを高めたが、この日は出発直前に乗り込むなどリラックス。前夜はチームが敗れ、79日ぶりに2位に転落。そしてこの日は勝ったチームに優勝マジックが点灯する大一番でも、気持ちをコントロールした。

 6日のロッテ戦でノーヒットノーランを達成してから中5日。133球の熱投の後でも「全然大丈夫。(張りは)いつも通り」と肉体の強化を実感した。さらに8日には、ともに自主トレを行ったことがある女子ソフトボールの上野由岐子が、リーグ戦でノーヒットノーラン。「凄すぎますね」。刺激をもらっての登板で結果を出した。ノーヒットノーラン達成後の登板で勝利投手となるのはパ・リーグでは96年の渡辺久信(西武)以来、23年ぶりの記録だった。

 チームは一夜で首位に返り咲き、優勝マジック「12」が初点灯。千賀は「(優勝は)まだまだ遠い。最後まで大事な試合があるので自分の役割を果たしたい」と言った。頼もしすぎるエースがチームを2年ぶりのリーグ優勝へ導く。(川島 毅洋)

 ○…前回6日ロッテ戦でノーヒットノーランの千賀(ソ)が8回1失点で13勝目。ノーヒットノーランを達成した次の登板で白星は13年山井(中)以来になる。ただし、山井は先発6回を3失点。2リーグ制後、ノーヒットノーランの次戦に先発し8回以上を投げて勝ったのは04年井川(神=9回3失点)以来15年ぶり11人目。過去10人のうち最少失点は00年バンチ(中)の9回2失点。1失点以下は千賀が初めてだ。なお、1リーグ時代には37年春の沢村(巨)ら4人がノーヒットノーランの次戦で完封勝利を記録している。

 ○…ソフトバンクが勝って首位を奪い返し、優勝へのマジックナンバー12を初点灯させた。西武が残り12試合に全勝すると84勝58敗1分けの勝率.592。これに対し、ソフトバンクが残り12試合に全勝すると83勝56敗4分けの勝率.597となり西武を上回るため。なお、現日程での最短優勝決定日は20日。

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