広島・緒方監督 消化不良の一敗で3位転落

[ 2019年8月26日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-10中日 ( 2019年8月25日    ナゴヤD )

交代を告げる緒方監督(撮影・椎名 航)
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 何とも消化不良の試合だった。広島は25日の中日戦に大敗し、またしても3位に後退した。6回1死満塁でベンチが動かず「0」を刻むと、2点差に追い上げた7回には塹江が決定的な2点を失い、大勢は決まった。停滞は許されない状況で空転した采配。首位・巨人とは6・5ゲーム差のまま、27日から敵地で3連戦に臨む。

 首位・巨人とのゲーム差を少しでも縮めたい状況で、5位に沈む中日に手痛い1敗を喫した。初回に安部の中越え二塁打で幸先よく2点を先制しながら、投手陣が崩れて終わってみれば2桁失点の大敗。途中の采配を振り返れば、消化不良の印象が拭えない。

 「2点差なら塹江で行く予定だった。1点差なら別だけど…」

 佐々岡投手コーチがそう説明するのは終盤7回の継投。試合の大勢が決まった場面だ。野間の右前適時打などで2点差に詰め寄り、追い上げムードが高まった中で、ベンチが4番手に指名したのは5年目の塹江だった。

 左腕は、しかし、先頭・京田を四球で歩かせ、続く福田には左翼ポール直撃の2ランを被弾。反撃ムードは一気にしぼんだ。シーズン序盤ならともかく、負けられない状況で、しかも翌26日には試合がない。別の人選は無かったか。塹江に責任はないが、酷な継投に思えてならない。

 攻撃面では4点劣勢の6回だ。先頭・鈴木の左翼線安打から2四球で1死満塁の好機を築き、打席に小園を迎えたところで中日ベンチは山本から左腕・福にスイッチ。黄金ルーキーは7球粘ったものの投ゴロに倒れ、サンタナは敵の好守もあってニゴロに終わった。

 ベンチには長野がいた。体調面に問題があるとはいえ、菊池涼もいた。右打者キラーと言われる福だけに、データを考慮したのかもしれないが、相手にはどちらが嫌か。結果はどうであれ、ファイティングポーズは最後まで取り続けたい。

 「キクはコンディション。来週からは大丈夫でしょう。長野? 週明けからスタメンを含めてね。総動員で戦っていくしかない」

 緒方監督はそう説明した。27日からは首位・巨人と3連戦。逆転4連覇へは、もはや1敗もできない。振り返れば4位・阪神も迫る。残り23試合、底力が試されている。(江尾 卓也)

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2019年8月26日のニュース