巨人“三度目の正直”M20!石川が代打サヨナラ点灯弾「本当に奇跡」5年ぶりV最短9.6

[ 2019年8月25日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8-6DeNA ( 2019年8月24日    東京D )

延長11回無死二塁、石川が右中間にサヨナラ2ランを放つ(撮影・篠原岳夫)
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 巨人に優勝へのマジックナンバー「20」が初点灯した。24日のDeNA戦で延長11回無死二塁、2ボールから代打で出場した石川慎吾外野手(26)がバックスクリーン右にサヨナラ3号2ラン。「ダイナマイト慎吾」の異名を持つ男が持ち前のパンチ力を発揮し、連敗を2で止めた。マジックへ2日続けて足踏みしていたが、「三度目の正直」でついに点灯。5年ぶりのV奪回が近づいてきた。

 3時間54分の激闘に終止符を打つ打球が、バックスクリーン右に吸い込まれた。延長11回無死二塁、石川はフルカウントからエスコバーの154キロ直球を強振した。「外野が前に来ていたので越えるとは思いましたけれど、まさか入るとは」。2年ぶり2度目のサヨナラ打がプロ8年目で初の劇弾となった。

 本塁でナインにもみくちゃにされ、原監督とも熱い抱擁。「本当に奇跡です。奇跡を起こしてくれたのはファンの皆さんです!」とお立ち台で目を潤ませながら絶叫した。

 11回。先頭の重信が右前打を放った。打席は投手の田口。原監督は「2つの決断があった」と振り返ったが、1ボールから重信が二盗に成功したことが、サヨナラ劇への第一歩となる。2ボールとなって「2つ目の決断」が代打・石川。「思い切って右に強く打ちにいけ」と送り出した。

 石川はネクストバッターズサークルで坂本勇からも「3球振って帰ってこい」と送り出されたが、ファーストストライクを見逃した。「勇人さんの顔が見られなくなった」と笑ったが、自慢のフルスイングで決着をつけた。

 先輩の姿を手本に、絶対に下だけは向かなかった。開幕1軍も、5月下旬から2カ月間2軍暮らし。思い出したのは、昨季限りで現役を引退した脇谷亮太氏(37)の背中だった。いつ呼ばれてもいいように黙々と練習をこなしチームをもり立てていた。「自分も腐るとか、やる気をなくすことは絶対にないようにしようと。明るく僕らしく」。後輩に交じって、バットを振り込んだ。

 「ダイナマイト慎吾」の劇弾に、原監督も「非常にきっぷのいい選手。彼らしさが出て良かった」と目を細めた。ついに優勝マジック「20」が初点灯。4年ぶりに監督復帰し、過去7度のリーグ制覇に導いている指揮官は「もうちょっと小さな数字になったら言いたいこともあるでしょうが、(今は)全くない」と泰然自若だった。

 「優勝に向かって走っているので、乗り遅れないように頑張ります」と石川。主力も控えも一体となって、5年ぶりのV奪回に白星を積み重ねる。(青森 正宣)

 ≪対象は2チーム≫巨人に優勝へのマジックナンバー20が点灯した。唯一自力優勝の可能性があったDeNAが残り全勝で84勝56敗3分けの勝率・600。巨人は残り28試合のうちDeNAとの残り7試合に敗れても、他カードで20勝すれば85勝56敗2分けの勝率・603でDeNAを上回る。なお、この日2位に浮上した広島も残り全勝でDeNAと同じ84勝56敗3分けで並ぶため、両チームがマジック対象となる。

 ≪6年ぶり代打が劇弾≫石川(巨)が延長11回に代打サヨナラ本塁打。巨人の代打サヨナラ弾は13年6月5日の日本ハム戦で小笠原が放って以来6年ぶり14人目(15度目)。また、リーグのマジック初点灯日にサヨナラ本塁打をマークしたのは88年8月31日広島戦の落合(中)以来。巨人では83年10月1日広島戦で松本が記録して以来36年ぶり。代打では初。

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