阪神・福留 火付け8号先制2ラン&3安打で今季初5連勝に貢献

[ 2019年8月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7-4ヤクルト ( 2019年8月24日    神宮 )

初回1死一塁、福留は右越えに先制2ランを放つ(投手・田川)(撮影・大森 寛明)
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 阪神・福留孝介外野手(42)が24日のヤクルト戦で先制の右越え8号2ランを含む3安打の活躍を見せ、今季初の5連勝に貢献した。25日に終わる夏の長期ロードも10勝9敗1分けとし、勝率5割以上を確定。3位・DeNAまで“半歩前進”の2・5ゲーム差へ近づき、逆転でのクライマックス・シリーズ(CS)進出へ勢いづいてきた。

 福留は黄色く染まる左翼席から期待感たっぷりの大声援が送られた。7―4の7回2死で迎えた第4打席。本塁打、単打、二塁打と放っており、ファンの関心は快挙達成なるか…に集中した。フルカウントからのスライダーにバットが空を切り、自身3度目のサイクル安打はならず。それでも勝利の立役者の座は揺るがなかった。

 「この球場じゃ(三塁打は)無理です。足がちぎれるわ!」
 42歳の大ベテランらしく、試合後はジョークで笑わせた。もちろん、自身の記録よりもチームの勝利が優先。5連勝をけん引した一人としての充実感がその顔に漂った。

 まずは初回だ。1死一塁から初対戦の田川のスライダーを振り抜き、右翼席上段へ先制8号2ラン。逆転された後の4回には先頭で左前打し、打線に火を付けた。5回1死では右中間への二塁打を放ち、三塁に進んだ後に糸原の遊ゴロで生還。快挙はならなくても4打数3安打2打点3得点の大暴れだった。

 「逆転された後も“みんなで取り返して”という風にやれた。そういう気持ちを大切にしながらやれれば」

 ただ打つだけではなく、常に状況を考えながらプレーしている。逆転された直後の4回の打席ではセーフティーバントの構えを見せ、田川を勢いづかせないように揺さぶった。

 この試合と同じ西が先発した3日の広島戦では3回に西が左足首をひねって負傷。続く4回先頭で同じようにセーフティーバントの構えをした。「西の状態が分からなかったからね。少しでも時間が稼げたらと」。自分だけではなく、そこまで周りを見られる選手は他にはいない。

 開幕から移動日や左腕戦で休養を挟んでいた中、10日の広島戦から13試合連続先発。矢野監督は「いいところで孝介が本当に打ってくれている。今週も休みなく、体にムチ打って行ってくれている。全てにおいて存在が大きい」と連日の大絶賛だ。ヒーローインタビューで今季初5連勝の感想を求められ、「ちょっと遅い気もしますけど…、勝てて良かった」とひと笑い。最後まで若虎たちを引っ張る覚悟はハナからできている。(山添 晴治)

 ≪長期ロード勝ち越し≫阪神は今季初の5連勝。大型連勝がなかった一方で、最長連敗は巨人とともにリーグ最少の6。大きな波のない状況で終盤を迎えたが、ここから波に乗れるか。また、甲子園を離れての長期ロードは10勝9敗1分けとなり、25日の最終戦を残して勝率5割以上が確定した。

 ≪CS進出射程≫5連勝の阪神はCS進出圏内の3位DeNAと2・5ゲーム差。7月30日(当時3位は広島)以来の接近だ。8月9日に3位の広島にシーズン最大の6・5ゲーム差まで離されてから24日までの13試合を8勝4敗1分けの勝率・667とし、再びCS進出の射程圏へ近づいてきた。

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